第21話 KSG首領が恋の後始末に追われる

 その次の日。

 俺は昼間から、冷房のあまり効かない4畳半の自室で、パソコンを前に頭を抱えていた。

「本当に厄介なことをしてくれたな、こいつら……」

 夕べまでの努力が全て、水の泡だった。

 高校生にあるまじき、不純異性交遊の疑惑が浮上したのだ。

<見間違いです>

 短い言葉できっぱりと否定したのは、「ヒロ」だった。

 だが、嫉妬深いKSGの連中は誰も信用していない。

<あのタイミングでレスしなかったの、お前らだけだろ>

<何やってたんだよ、あの暗がりで>

 下手に場所を特定できるように仕向けたのがまずかった。

 実をいえば、あの辺りは疑われても仕方のない、その手の場所でもある。

 そう考えると、俺にも責任の一端はある。

 KSGを抜けようともせず、女の子の立場と名誉を守ろうとしている男の子をこのまま放っておくわけにはいかなかった。

 助ける方法が、1つだけある。

 知っていながらもう10年も放り出していたアイデアを、俺は初めて実行に移した。

<首領が自ら制裁する。それでいいな>

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