第3話 孤立主義者の少女は偽りの恋に戸惑う
ついてこいとでもいうかのように、目の前にあった背中はどんどん先へ行ってしまう。
おかげで私は、こっそりスマホの画面を眺めることができた。
「あ……やっと来た、ヒロさん」
放課後はいつも、私……「ルイ」より早くチャットにきている。
校門を出るとき、こっそり電源を入れたスマホ画面にヒロさんの名前はまだなかった。
ゆうべ、あんなことがあったから心配していたのだけれど、よかった。
それだけ分かれば、いい。
遠くで立ち止まっている男子が、振り向いて待っている。
「
前々から声をかけられていて、今日、初めて一緒に帰ってみることにした。
確かに、背も高いし、格好いいといえばそうだ。
でも、まだ付き合うって返事もしていないのに、もう彼氏気取り……。
私を見もしないでさっさと先に行ってしまうなんて。
本当は、1人でいたい。顔かたちとか、何かができるできないで人をランキングするバカとは関わりたくない。
でも、仕方がない。
「事務的に」関わっているうちに、こうなってしまったのだ。
音読みで、「ルイ」は……。
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