04



 長期的な逃走で、各地に散った者達は疲労していた。

 疲労が原因で、ホームの幻覚が見えてしまう者もいた。

 各地に散った者達は、一人ずつ追手に捕まっていく。


 そんな状況の中で、「少女」は父親と母親と再会して、共に行動していた。

 イジワルな父親と優しい母親。

 追われる日々だが、「少女」はそれなりに幸せだった。


 しかし、長くは続かない。

 潜伏していた家が追手にかぎつけられた。

 父親に抱えられた「少女」。「少女」は「家内!」と母親に危機を知らせる父親と共に、家の外に脱出した。

 しかし、母親が出てこない事を見た父親は、家の中に戻る事を決意する。


「少女」を布団でぐるぐる巻きにした父親は、乱暴に坂道を転がしながら「そのまま逃げろ」といい、再び家の中へ。

 戻った父親は、追手と対峙する事になった。


 父親と母親が心配だった「少女」はぐるぐる巻きをといて、坂道をさかのぼって家へと戻った。


「せっかく命をとして逃がしてくれたのに、もったいない事するね」


 そこで追手に捕まってしまう。






 幾日か後。

 追っ手に捕まった者達は洗脳されていた。

 彼等は、ある少女から指示を受け取り、不穏分子である超能力者達(元仲間達)を捕まえるように指示される。

 その中には「少女」の姿もあった。


 しかし、「少女」は他の者達と違って、その任務の内容に疑問を持つ。


「相手の言い分も聞かずに一方的に捕まえるのは間違ってるんじゃないかな」


 異論を口にした事で、他の者達からバッシングを受ける「少女」だが、任務を言い渡した者は「それが少女の優しさだから」と許した。


「貴方のその優しい所が私は好きですよ」


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夢の日記 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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