1-3(3)

 早朝、僕は袋に食料、薬草、ストーンを詰め込み、あの日ソラちゃん

から聞いた7番駅に通じる草原へと向かった。

 市場を通り抜け小山を一気に駆け上がり全体を見渡すとソラちゃんが

言ってた青々とした大草原がびっしりと広がり、その存在感に圧倒され

るも村長として意を決した僕はためらわず枝を掴みながら慎重に下り、

その後再び大草原へと突っ走った。

 そして遂に草原の入り口にたどり着くも草木の高さが優に3メートル

を超え方向性を誤れば遭難という恐怖が一瞬過るが使命感なのか僕は

一気に飛び込み、必死に入り口付近にある巨大なひまわり群を探していた。

 

「ん……!」「あっ、あれだ!」

 

 僕はためらわず草木を一気に両手でかき分け直進感覚だけを頼りに

前へ前へと慎重に進むことにした。


〈ガサッ!〉

〈ガサッ!〉〈ガサッ!〉〈バキッ!〉

「イテッ!」

〈ガサッ!〉〈ガサッ!〉

「うわっ! 虫が……、虫が……」

「くっそ~ こんなだったら虫よけにヨモギ汁持ってくればよかった」

「ソラちゃん、よくこんなの耐えれたな、尊敬するよ~ ホント」

〈ガサッ!〉〈バキッ!〉

「イテッ!」

「くっそ~ しっかし方向合ってるのかな?」


 使命感どころか愚痴パワーのみでなんとかひまわり群にたどり着いた

僕はついに地下の改札に通ずる階段を発見した。

 これか~ 村の階段とはえらい違いだな。

 地下深く通ずる長い階段をゆっくり慎重に下りる僕に待ち構えていた

のはまさに今まで見たことのない驚きの光景だった。

 そこは地下とは思えないぐらい広大なホールのような空間で、壁は

土ではなく白くひんやりした重厚な素材で覆われ、ただただ僕を圧倒した。

 僕は路線図を確認するため改札近くに足を運んだ。

 白いボードに浮かぶ路線図にはソラちゃんが言うように1番から99番

で円が形成され特区は27番と29番のちょうど間に位置していた。

 ココ7番から数えて特区までは…… 結構遠いな、今日中に着くかな?

 とはいえ行くしかないか。


〈……!〉 

 

 あれ? 気のせいか。 

 

 一瞬誰かに監視されているように感じたが僕は気にせず改札を通り抜け

外回り方面へと向かった。

 ホームにはまだ列車は到着しておらず話相手もいない中、僕は線路の

曲線美に感心しきりだった。

 線路がなだらかな美しい孤を描き、暗いトンネル内に吸い込まれる

形状につい気分が高まり、今後に大きな期待を寄せていると突然トンネル

奥から列車らしき汽笛音が……!


〈ファ――ン!〉 


「うわっ!」「なんだ――っ!」



     【【【【【ループランの軌跡 パート2】】】】】

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