幸運を
第二の月 じょうろの日
「アーヴェー・アヴィー。
どうもー。ポロ星系内からかけてますー。
旅地通信社の記録係ってリディア・マルカスさんで合ってるよね?
どうぞー。」
「アーヴェー・アーヴィ。
よかったー、合ってた!
覚えてる? 女学校でいっしょだったポインセチアですー。
放送部で昼休みにずっと校内放送ジャックしてたから声だけは覚えがあるかなー。
まあ、内戦ですぐに学校も閉鎖しちゃったしねえ。
あ、そうそう。いちおうそんな一ヵ月だけ一緒のクラスにいた連中で同窓会が開かれることになりました!
一応聞くけど来る? どうぞー。」
「アーヴェー・アヴィー。
そっかそっか。
いや、誰かからぼんやりお父さんのことは聞いてたけど。
そっか。マルカスさんも大変だったねえ。
気にしなくていいからね! 私もにぎやかしみたいなものだから。
そもそも、同じクラスで生き残ったのは半分くらいだし。
……なんか湿っぽくなっちゃったなあ。
話題は変わるけどさあ。
このラジオ――ああ、私が今使ってる鉱石ラジオね?
どうやらどのチャンネルでも、自分の意志でつなげられるっぽいのよ。
確かに石の色とか普通のと違うなーと思ってたけど。
今日もマルカスさんにかけようと思ってすぐつながったし。
電話じゃあるまいし、そんなことある? って思ったんだけど。
いちおう隅から隅まで見てみたけど、製造番号とかなくてさ。
逆に怪しいよね?
これって旅地通信社で調べてもらうことってできるかな?
どうぞー。」
「アーヴェー・アヴィー。
うん、帰って来なくても別にいいよー。
おじいちゃんがどっかから買ってきた中古品だと思うし。
じゃあ今度渡しに行くね。
ついでになにかお菓子買って行っていい?
せっかくだからお茶しようよ。よもやま話でもしながら。
あの時思ったよ。
話せるうちに、会える人には会っておかないとなあって。
明日はどうなるか、わかったもんじゃないでしょ?
じゃあ日取り決めようか。いつがいい? どうぞー。」
「アーヴェー・アヴィー。
じゃあゆりかごの日に。
楽しみにしてまーす!
通信終わり!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます