寒波っぱ
今朝はあまりにも寒すぎて、ベッドの中から出たくなかった。
しかし武士は流石である。もう布団の中から姿が見えな――
「寒い!」
ズボッと私の足元辺りから武士が顔を出した。猫かお前! 私の足で暖を取るな!
「なんぞここは! 異(い)なる世界!?」
確かに昨日までの気温とは全然違うけど、異世界転生はしてないよ。ほんと気温違うけど。
「これほど寒ければ、布団から出られるか否かで今日が決まるぞ……」
それ今日に限った話じゃないと思うな。毎日のことだと思うな。
「寒い!」
だから! 私の布団に入ってくんなって!
出てけ出てけオラオラオラオラ。
「ぬうっ! 殺生な! 反撃の構え!」
やめろ狭い布団で暴れるな! ベッド壊れたらどうすんだ、弁償できねぇだろ、お前!
「そういえば、この世界にも富くじ(※宝くじのこと)があると聞いて」
ジャンボな夢を見るな!!
まあ、そうこうしている間に布団から出ざるをえないほど体が温まるのである。ろくでもないな。
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