朝食の話

 クーラーに冷えた身に沁むコンポタよ


 思わず一句詠んでしまうほど、クーラーのきかせた部屋でコンポタを飲む幸せというものを感じている。真冬にこたつでアイス食うようなもんだ。これぞ現代の夏ってやつよ。

 まあ、江戸時代に生きていた人間からすると仰天の光景なんだろうけど。


「カリカリに焼いたぱんに“こんぽた”、まいうー」


 そんなことなかった。なんなら私よりエンジョイしてんな。

 パンで思い出したけど、最近の私の朝食は小さく切った食パンにとろけるチーズをかけてオーブントースターで焼き、とどめにはちみつかけて食べるやつである。簡単で美味しいよ。やってみてね。


 ……。


 さて、書くことが無くなったな。今の武士の様子でも描写するとするか。


 武士は、嬉しそうにトーストを摘んではコーンポタージュの中にしっかり沈み込ませている。一口一口味わって食べるものだ。たとえ男でムキムキとはいえ、微笑ましい気持ちが湧かないでもない。

 ――そのパンが、五枚切り食パンの通算五枚目じゃ無けりゃもっと良かったんだけどな。それもう一斤食べてんじゃん。胃袋どうなってんの?


「こんぽたが某の胃を底無し沼にしてしまった」


 あらまー、大変ね。あとで新しく買って来いよ。


「おかわりを?」


 明日の朝食分に決まってんだろ。

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