無くて七癖の癖って性癖とかも含まれるのかね?
どうもこんにちは。ここ最近「この子可愛すぎるからぜひプロポーズしたい」と思った女の子キャラが全員人外だったことに気づいた大家です。婚期は遠い。
そんな私に、流石の武士も呆れ顔です。
「せめて現実におる者にせんと!」
そんなこと言われたってノマイもダゴニアンもゲームの中にしかいねぇんだもん。現実の方が遅れてんだよ、しっかりしろ。
つーかさ、逆にその理屈だったら現実にいたら何でもいいわけ?
「ハッ……!」
……え、何何。なんか気づいた? どした?
「……なるほど、大家殿の言は一理ある。さすれば、この話はここで終わりにして……」
待て待て待て待て。何かお前パンドラの箱持ってんね? 隠してるね?
「知らぬ知らぬ知らぬぅ! 母上から伯父上のことは知らぬふりをしろときつく申しつけられておる故ーっ!」
その伯父上ってのが今回の話の主役だな!? よーし、許可する! 話せ!
「……あれは、某がまだぴちぴちの稚児の頃……」
そして根負けした武士は話し始めた。コイツの回想の入り方、気持ち悪いな。
「某の伯父上殿が、突如として細君に離縁を申し出たのだ。しかし二人の間には子も二人おり、何より細君自身美しくて気立ての良い絵に描いたような良妻であった。故に親戚中大騒ぎで、すわ何事かと尋ねれば『他に添い遂げたい者ができた。この恋成就せねば腹も切る所存』と言うではないか。そこで怒った父が、『ならば掻っ捌いてやる』と刀片手に伯父上宅に乗り込んだりしたところ……」
お前の父ちゃん怖いね。それでそれで?
「……そこにいたのは、一匹の犬であった」
犬?
「うむ、犬」
……犬、かぁ。
へぇ、ふぅん……。
ふぅぅん!?
「最初こそ、父上も伯父上が囲った女を庇う故に狂言を吐いているのかと勘ぐったそうだ。だが、違った。伯父上殿は、本心からその雌犬に心を寄せておったのだ。
その証拠に雌犬には人と同じ食事を与え、夜は床を共にし、腕にはその名前を彫りおった」
刺青まで……!?
「そして最後には、この犬を妻として正式に娶るとまで言い出したのだ」
そんな、現代でもまだ認められてないのに……!
「江戸でも認められんかった」
だろうね。
え、それでどうなったの?
「何か裁きにかけねばならぬような気もしたが、どういう罪になるのかよく分からんでな。その上公にするとなれば傷つくのは細君とお子と親戚の名誉とこちら側ばかりで、当人は痛くも痒くも無さそうだった為……」
うんうん。
「放置することにした」
放置!!!!
「実は某も酔っ払った父上から聞いただけでな。どこまで本当の話か分からんのだ。……そう、その後伯父上がどうなったかさえ……」
おおおおお怖い怖い怖い怖い!
「それ故、大家殿のように現実には無いものに憧れを抱くのは、むしろ健全ではないかという考えに某は至ったのだ。下手に手に入れられる場所にあれば、伯父上のようになりかねんからな」
まー、ご本人は幸せなんだろうけどねぇ。巻き込まれる周りの人はたまったもんじゃないわな。
ところでさ、お前は最近可愛いって思った子とかいなかったの?
「うむ、よくぞ聞いてくれた! 某、この頭の後ろにもう一つ口のついたおなごが大変に愛いと思い……」
結局!! 人外(そっち)じゃねぇか!!!!
武士は、人外とか関係なくなんとなくぽちゃっとしてる子が好みみたいです。
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