知能指数が下がる時
それなりに知的と自負する私にも、IQがゼロになる瞬間がある。
それは料理の最中。さぁ本日のメニューは唐揚げだ。いかほどの量を作ろうかと、解凍したもも肉を見つめる。
次の瞬間。
私のIQはゼロになり、すべての鶏肉を特製タレにぶちこんだ。無論到底男二人で食べられる量じゃない。だがそんな事は考えない。私はひたすら皿の上で山となる唐揚げを見たく、そして食したいのだ。ただそれだけの欲望が、私の知能を限りなく低下させる。
全ては唐揚げの為に。
人として肉を食す為に。
「またでござるかー!」
こうして、食卓にででんと置かれた唐揚げの城塞を前にして武士が仰向けに転がることになるのだ。
別にいいじゃん。明日食べる分に回したらそれでさ。
「まあ大家殿の作る唐揚げは美味いからな。構わぬのだが」
だろ?
「しかし、某はついつい皿を空にしようと気張ってしまうのだ。気づけばいつも腹が破裂しそうになっておる」
そこは知らんよ。自分の理性で腹八分目に加減しろ。
「いや、ここは某が引き受けるぞ! 食後の皿洗いは任せた、大家殿! いただきます!!」
だから空にしようとすんじゃねぇよ! 残せっつってんだろ!
つーかお前、食事の時一気にIQ下がるな!?
「むしゃむしゃむしゃむしゃ」
……。
……いや……IQは据え置きな気がしてきたな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます