有給
午前七時。起きた。
今日、有給。
武士ゾーン(漠然と武士がいる場所)を見ると、やっぱりもぬけの殻だった。多分行き先は近所の神社だろう。
布団から出る。カーテンを開ける。今日は晴れていた。
テレビ周辺に目をやる。昨日やっていたゲームが転がっていた。
そうそう、キムタク主演のゲーム「ジャッジアイズ 」をクリアしたよ。ストーリーが大変よくできてて、起用された俳優さんもどハマりしてて。もうあれはいっそドラマでも見ているかのようだった。
アクションメインな為私は苦労したけど。
「ぬおっおおおああああ!! 大家殿! 侠客が来たぞ!! おおおお銃! 銃を持っておる! 避けろ避けるのだ大家ど……ぬあああああ!! 何を当たっておるかぁぁぁぁあ!!!!」
うるっせぇなコイツはよ。
オメェはピカチュウ従えて一生マサラタウンうろついてろ。
……いかん、せっかくの有給なのに武士のことを思い出してしまった。せっかくの有給なんだ、今日は存分に自分の為に時間を使おうじゃないか
そうだ、久しぶりにMOTHERとか起動させてどせいさんに会いに……。
「帰ったぞ大家殿ーっ!」
おかえリンボーダンス。
「ただいマサラタウン」
うるせぇよ。
「おや? 今日大家殿は勤めには行かぬのか」
あ、クソ、秒でバレた。
そうだよ、今日はお休み。
「ならば某とすいーつ巡りの旅に出ようではないか!」
すまん、今日私運転免許の更新に行かなきゃなんだわ。ごめんな。
「ぬう! 車なんぞ持っておらぬのに!」
持ってなくても更新は必要なんだよ。定期的に「自分はまだ運転していたい」ってこと証明しなきゃ。
そう説明すると、武士は少しふてくされた。
「……駕籠かきは免許更新なんぞ不要であったのに」
そりゃ……まあ……そうだろうな……。
うん、時代が変わったんだよ、時代がな。
まあ、今度レンタカーでも借りて車に乗せてやるよ。
「……」
おうなんだその顔喧嘩売ってんのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます