ファンタ
ファンタを買ったら、武士がいた。
もう少し説明すると、ファンタの期間限定お遊びパッケージに“ちょんまげ”が印刷されていたのだ。これを頭に当てれば誰でも武士に変身できるというわけである。
だから、今日はそれを額にあてて家に帰ってみたのだ。果たして、気になる武士の反応は……。
「おお、色のついた水だ。“じゅーす”だ。大家殿、それは土産か?」
武士はジュースしか見ていなかった。
なんだよお前。もっと見た目に惑わされろ。ギャグ説明しなきゃいけない私の気持ちに寄り添え。
見ろよ私のちょんまげを。
「丁髷? それが?」
おう。お揃いお揃い。
「……フッ」
あああああああああ!?!?
今鼻で笑いやがったなコイツゥゥゥゥゥゥ!!!!
もう許さん! もう容赦しねぇぞこのオトボケ侍!
くらえファンタグレープ味!!
「ぬあぁぁ! 毒か!? これは毒なのか!?」
炭酸じゃあ! どうだこんなもの江戸には無かっただろう!! 喉がファンタスティックになるだろうファンタだけになァ!!
あっはははははは!!
……。
……私、深夜に何やってるんだろうなぁ。
疲れて帰ってくると、往々にしてそういうテンションになる時がある。
私はテンションを元に戻し、ちびちびとファンタを舐める武士を残して風呂へと向かったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます