「凍てつく風よどうかどうか止んで⑧」
GM:では夜を迎える
3日目の夜、宿「英雄の拠点」にてグリードの来訪を待つ一行。
その手には、各々の武器と、新たな武器を取り、それらは今か今かと、海竜に惨敗したあの記憶への決着を待っている。
逸る心を抑え、君たちはグリードを待つ。
グリード:「待たせちゃったかな。」
GM:突如、背後に声が響く。グリード・モルトがそこにいた。
ミーア:「トリアのお父さんだ!こんばんは!!」
グリード:「あぁこんばんは。さぁ、調整が終わった。」
トリア:「大丈夫。暇だったからお父さんの工房を探してたくらいだけど。」
グリード:「あー、工房か。言ってなかったっけか。ここの地下だよ。」
シーリス:「…なるほど…。」
トリア:「うん。ちょっと手伝いたかっt…え?あー…なるほど。」
グリード:「ここの地下に水路を引いて、そこで造船しているんだ。あのレジストポーションとかもそこで作った。」
トリア:「おお!みたいみたい!」
グリード:「さて、おしゃべりはこの辺で。さぁ見てくれ。」設計図ばさぁ
グリード:「これが、僕たちが乗る船。武装戦線砕氷帆船ノーティラスだ。」
トリア:「…ふむ。」すっと冒険者の顔になる
グリード:「船の準備ができた。決行は明日の昼、温度が少しでも高い時間帯に挑む。」
グリード:「僕は船の操舵に集中する。ある程度の氷や波は無視できる。ダイダルウェーブにも耐えられるように対波能力を補強した。フリーズフィールドの中でも、フルパワーとはいかずとも、操舵性を失うことはない。」
トリア:「流石。」
シーリス:「えっと…凍ってる海の中動けるってこと……なのかしら…?えっ…。」
グリード:「具体的なスペックはこれだ。」
ミーア:「………????」(-""-)
トリア:「さっすがお父さん!勝ちの目が大分見えてきた!」
ジャック:「いい船だ……。」
アンナ:「えっ、何ですかこの船…。船ですか?」
グリード:「僕は船の移動に加えて1つだけ船上兵器を遠隔で使用できる。搭乗すると搭載扱いになるので、僕の持つ騎芸も適応される。」
グリード:「物理的に頑丈なだけで、水・氷属性以外の魔法に対する防御力は皆無だ。当たり前のように抵抗など出来ない。回復もしない。生きていないからね。」
グリード:「巻き込まれると当たり前のようにダメージを受ける。あの尻尾による対船舶特殊攻撃にも耐えられるようにしているが、2~3発がいいところだ。おそらく全力で叩きつぶしに来るだろう。以上だ。何か質問はあるかい?」
トリア:「うん。大丈夫。流石に1回に抑えるのは無理でも最短2回。多くて3回にはできるから。」
グリード:「無ければ、進水式と祈祷を経て、決戦の開始だ。祈祷には神官が望ましい。アンナさんだったか、頼めるかな?」
トリア:「おっけー!さて!今回はこう言おっかな。殴って血が出れば殺せる!」
アンナ:「お任せください、細かい儀礼は省きますが。大丈夫です。」
グリード:「……。」少し目を細める
グリード:「レパラール様と親愛なる妻に誓おう。ぼくは君たちを死なせない。イサラが守りたかったものを、壊させやしない。」
GM:さあ、君たちの手には盃。
叩き割る音は春の訪れの予見。見上げる寒空には月が煌々と。
呼応せよ。
今は静かな海を水面に映し、明日には荒れる氷海を叩き割れ。
平和で活気のある港湾都市へ喝采を、君たちの手で呼び戻せ!
GM:翌朝。開戦当日!!
シーリス:漁師のおっちゃんが通りかかってください
GM:いいですよ。ではシーンをはさみます。
釣り人:「おう、おめーさんたち。わしらは避難するとこじゃい。なんだ。せめて生き残ってくれよ。じゃあな。」
シーリス:「多分今日はいいことがありますわ。」
釣り人:「おん?おう。」
シーリス:「ありがとう、トリア。」
アンナ:「…遍く水神の加護をノーティラスに。航海に幸在らんことを。……終わりです。」
グリード:「ご苦労さま。ありがとう。さぁ。進水だ。」
ジャック:「さぁ……。いつも通りやるとしよう。」
トリア:「…さ、行こう。でかい蜥蜴狩りの時間だよ。なんてね。」
ミーア:「うん!」
シーリス:「今日は新しい子と初めて使う魔法のお披露目よ」
GM:氷の浮く海を凪ぎ、白い線を引いてノーティラスは海を渡る。
現在地、海上、海岸線より30m付近。目の前で、いつか見たあの渦潮が海を練る。
その中心から、奴が、雹海竜シュトラウトがその姿を、君たちに見せたのだった。
GM:シーリスは先制判定に失敗。しかしミーアがイニシアティブを奪取しカバーする。
ミーア:「シーリスっ!!あたしが!!」
シーリス:「あっミーア、ごめんなさい、ありがとう!」
ミーア:「大丈夫だよ!!わっとっと!揺れるなあ!」
GM:さぁ、港湾を取り返す戦いの始まりだ。今こそ極寒の白い世界から、賑やかだった都市を奪い返せ!!戦闘開始!!
GM:シュトラウトはフリーズフィールドを展開し、海原を極寒の世界に落とす。
しかし船は止まらない。氷が張った海の中を割り砕き、速度が落ちてなお進み続ける。
停滞してはならない。寒さに凍えても、物資がなくても。それでも進んだ先に、春があるのなら!!
グリード:「そんなもんでこのノーティラスが沈むかああああ!!」
トリア:「そーだそーだ!」
ミーア:「そーだそーだ!」
シーリス:(良いノリね)
ジャック:「各員戦闘配置、目標蜥蜴の尻尾、グリード頼んだ。」
トリア:「お父さんよろしく!この船の力思い知らせろー!」
グリード:「うぉおおおおーーー!!」接近、乱戦構築、ハープーン射出!!
ジャック:「シーリス、海トカゲを炎の嵐で包んでやれ。」
トリア:「えー!わかった、いってらっしゃい。」
シーリス:「ええ、行くわよ、サラマンダー!」
GM:新たに契約した火蜥蜴の妖精の力を借り、強大な炎の嵐で雹海竜を包み込む。
鱗を燃やし、チリチリとほのかに焦げ臭い香りを立てる。効果は絶大だ!
シーリス:「あなた張り切りすぎよ…私もだけれど。」
グリード:「続けていくぞ!乱戦構築、ハープーン射出!!運命は自分の手でつかむから運命っていうんだ!!」
GM:人間であるグリードは運命を変える力<運命変転>を発動し、外れたかに思えたモリを見事に的中させる。
グリード:「ワンダーワールドホワイトハープーン!!!」
ミーア:「すごーい!ナワが【w】の機動してる!!」
トリア:スローワーベルトに仕込んだレジストポーションボールを投擲!
GM:トリアは各種バフ、デバフを存分に発揮し、以前は凍りついていたポーションを投擲。今は薬師としての才を遺憾なく発揮する!
GM:ミーアは勢いよく抜刀。肉体を錬体の技で強化しつつ、船から跳躍する。
落下とともに無尽に刀を振るい、鱗を切り裂く。
ジャック:「さて……。最初の一撃は……。」
GM:光魔の秘術により強化されたファイアボールが最大の効率で発射される。
一部には弾かれるも、叡智の指輪を叩き割り無理矢理に抵抗を突破する。
ジャック:「おっと、それは抜かせてもらおう。」
GM:シュトラウトの手番、攻撃を受けつつも、勢いは変わらず。
小癪な船を叩き割らんと、甲板に巨大な尾を振り下ろす!
大きく揺れ、一部が損壊するも、いまだ健在なり。この程度で落ちる武装帆船ではないのだった。
グリード:「おああああ!大丈夫かー!!」
トリア:「まだまだ!」
ミーア:「だいじょうぶ!!」
GM:続くシュトラウトの手番、全身をくねらせ、殴打や魔法を仕掛けてくる。
前衛に立つミーア、アンナは容赦のない殴打を食らう。
<ライトニング・バインド><スロウ>を行使し、全員の動きを鈍らせる。
ジャック、ミーア、アンナは月光の魔符を破り捨て、無理矢理に抵抗した。
ジャック:「いやらしい魔法を撃ってきたな」
ミーア:「うわわっ!!なにこれ!?」
GM:冒険者の手番、シーリスは手番を受け動こうとするも、スロウの効果により行動不可!!
ミーア:<ターゲットサイト><魔力撃>
GM:ミーアは魔力撃を使用し、己の出せる最大火力をぶつけ続ける。
先程食らったライトニングバインドが己の身を焼こうとも!!
ミーア:「えっえっコレ…バチバチって…ギニャ~~!!!!」
GM:雷に焼かれる主を知ってか知らずか、愛馬じゃっくも果敢に蹄を叩きつける。
GM:ジャック、アンナはともに最大火力をぶつけ続ける。
アンナは神の奇跡を衝撃波として発射し、ジャックは火球を的確に弱所に叩き込み、見事に抵抗を突破する。
GM:トリアは新たな力を遺憾なく発揮する。戦場医術の境地とも言える妙技を披露し、的確なバフやリソース回復をパーティに配っている。
GM:シュトラウトは高い知能で的確に魔法やデバフを使用し、冒険者たちを苦しめていく。
そんな3ラウンド目、冒険者の手番。
ようやっとシーリスがスロウの呪縛から解き放たれ、行動権を得る。
シーリス:「こんな魔法には…負けてられないのよ!!」
GM:ウィッチポーションを使用し、HPとMPを同時に回復し、行動は彼女が信仰する慈雨神フェトル様の特殊神聖魔法を選ぶ。
ラクシア最強のエンチャント系魔法。<サンダー・ウエポン>!!
ミーア:「えっえっ…ヤダ…ギn……アレ???」no damege
GM:続くトリアは海竜の回避を下げ、薬師としての能力を自身に使用。
そして自らも前線に上がり、両の手に構えるは母から賜った双斧。
自身に流れる魔動機術のマナを流し込み、<魔力撃>を発動する!
GM:ミーアの手番、愛刀にマナを流し込み<魔力撃>!しかし、大きな図体をくねらせ、強大な一撃を回避する!返す刀で袈裟斬りを狙うも、体勢が悪く不発!!
ミーア:「うぅうう~~!」
GM:ジャックの行動は、現象したMPリソースを回収すべく、<ドローアウト>を行使しHPとMPをシュトラウトから奪取する。
ジャック:「どうせ余っているのだろう?ちょっと分けてくれてもいいじゃないか。」
GM:アンナ手番、少しでもダメージを稼ぐため神の鉄拳を召喚する。
<ゴッド・フィスト>のダメージは微々たるもの、されどチリツモ。無駄ではないダメージが確実に入っている。
グリード:「スフィアカノン、装填完了、放てぇッ!!」
GM:ノーティラスの艦載兵器が牙を剥く。ブレードネットが海竜を縛り魔法の刃が鱗を引き裂く。
GM:ーー3ラウンド裏ーー
GM:シュトラウトはダメージをものともせず、船を落とさんと攻撃を仕掛けてくる。
物理攻撃の対象になったミーアは意気揚々、刀を構え、反撃の一瞬の隙を突く。
カウンターが成功し、攻撃の渦中においてもダメージを与えることに成功した。
SGM?:ーー4ラウンド表ーー
GM:ミーアは最大限に自己バフを掛け、サンダーウエポンの掛かった肉体で攻撃を仕掛ける。慈雨神の加護を受け、雷迅のごとく海竜を切り刻む!
ミーア:「うおりゃああああああ!!!!!」
GM:シーリスも、多大な攻撃手段を持つ海竜からのダメージを必死に回復する。リソースは無駄遣いは許されない!<アドバンストヒーリング>を選択、ミーアとその騎馬じゃっくを回復する。
しかし、詠唱結果はピンゾロ、自動失敗…。しかし<月の舞>を使用し、再判定!無理やり戦線を立て直した!
シーリス:「守りたいものがあるの。お願い、月光妖精ドゥナエー!」
トリア:「ジャック!炎を!」
GM:ジャックはトリアの要請に応える。
錬技の呼吸を合わせ、古代光魔党の秘術を加え、杖を掲げ詠唱を開始。
海竜の弱点は炎属性。ならばと得意魔法<ファイアボール>の魔法陣を空間に書き出し、定礎、対象指定、出力!!
ジャック:「燃えろ」
GM:アンナも神の右ストレート<ゴッドフィスト>を海竜の顔面に叩き込む!
抵抗されど魔法は魔法、着実に海竜の生命を削りとるのだった。
GM:トリアはデバフを掛け直しつつ、HPの状況をみてサブヒーラーとしての仕事を全うしつつも、投擲による攻撃を諦めない。諦めてはならない。母が待っている。父が支えてくれている、仲間たちが奮い立たせてくれているのだから!
トリア:「<パラライズミスト><バトルフィールドオペレーション>ウィッチポーション、スカーレットポーションをばら撒くよ。避けないでよね!」
GM:さらに、母から受け取った、フルカスタムの手斧を投擲!!
良く手に馴染む。母の愛を力に変えて、今海竜の鱗を叩き割る!!
GM:グリードは海竜を逃さぬためにモリを発射するが、巨体をくねらせ回避してしまった。しかしその時!軍師の鼓舞は輝き、回避した先にモリを発射していた!<怒涛の攻陣Ⅳ・輝斬>発動!!
グリードの思念を伝えるかのようにハープーンはしっかりと海竜に食い込み、宿敵の動きを阻む!逃さない、もう二度と!!
GM:ーー4ラウンド裏ーー
GM:シュトラウトはもはや虫の息。しかしながら攻撃の勢いが衰えることはない。
巨体を誇る幻獣の中でもさらに竜種、体内に蓄えたマナは膨大。しかし、無限ではない。
残り少ない戦闘リソースを絞り出し、攻撃を仕掛ける。もちろん貫通魔法だ!!ディメンジョンソ――――――ド!!!!
GM:虚空から巨大な魔力の大剣の切っ先がまっすぐに全員を貫く!!運良く逃れたアンナ、ミーア以外は被弾!!甚大な被害だ!!
GM:ーー5ラウンド表ーー
GM:各々の手は尽くされた。後はただ、どちらかが倒れるまで武器を振るうのみ。
シュトラウトはもはや虫の息だ。もう少し、もう少しで、宿願は達成される。
GM:ミーア、ジャックを始め、シーリスまでもが攻撃に参加する。グリードもマギテックカノンを射出し、海竜は瀕死。トリアの一撃を以て、海竜は、動きを止めたのだった。
GM:君たちは戦闘に勝利した。
はずだった。それは、前回とは違う挙動をした。
ジャック:「全員気を抜くな!シュトラウトに注視!」
ミーア:「うおっとっと!」
GM:倒れてくるはずの巨躯は、”倒れてこない”
シーリス:「…!」
トリア:「…?」
GM:そして、見る見るうちに、頭部が回復し始める。戦闘継続!!
トリア:「まだまだ!さぁ!死合おう!」
グリード:「限定蘇生だと…?」
ジャック:「想定範囲内だ、各員、キッチリ仕留めるぞ。」
ミーア:「うんっ!」刀を正眼に構え直す
シーリス:「ええ、動きも慣れてきたところよ!」
トリア:「お父さん!射撃用意!」
GM:グリードは攻撃の手を止めない。火砲を稼働し追撃する!
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