「ある日、猫が消えたなら後日談」


GM:数日後の昼。ジャックの隠れ家にて


ジャック:「さて、わざわざ来てもらってすまないな、適当に座ってくれ」

アンナ:「失礼します。あ、戦闘の跡も治ってますね!」

トリア:「失礼するわ。珍しいわね?何の話?」

ミーア:「なになにー?」すわる

ジャック:「帰った後は掃除に骨が折れたよ」お茶の準備中

シーリス:「運ぶわ」手伝うのは手伝う


ジャック:「今回ここに皆を集めたのは一つ大切な話をしたくてな」お茶を配りつつ

トリア:「大切な…ね」

アンナ:「…?」

ミーア:「んー?」すでにキョロキョロ

シーリス:「…そう」緊張しつつもいつも通りしようとしてる

ジャック:「ドルッケンが解読してくれた文献は約300年前の日記だったようでな」

アンナ:「歴史的、考古学的に恐ろしい価値のある文献なのでは…!」

ジャック:「あぁ、恐ろしく価値がある内容だった」

トリア:「へぇ…大破局周辺の…」

ジャック:「そこで記されていた中で一際異彩を放っていたワードがあってな」

ジャック:「<人造神>」

ジャック:「ドルッケンの先祖たちはこれを生み出そうとしていたらしい」

シーリス:「……!」

トリア:「……」

アンナ:「ヒトの手によって、造られた、神…ですか…?」

ジャック:「あぁ、神が見えない、聞こえない、そもそも自分が神だとかを主張する我が一族が言うのもあれだが、それは禁忌の一つだろう」

ミーア:「んー……すごそう」

シーリス:「神になる人を、ではなく神を造り出す…ということなのかしら…?」

アンナ:「それが、300年前に存在した、という記録…?」

トリア:「そもそも人間を人工的に生み出そうとして失敗してるのに…神を作るなんて…」

ジャック:「それと一緒に描かれていたのが《大盾を掲げた、白い鎧の女性象》だ」

アンナ:「……!」

ミーア:「…?それって…」

シーリス:「……」考え込む

トリア:「ふむ」

ミーア:「アンナのこと?」

アンナ:「…ぐ、偶然ですよね…?だって、私は目が覚めたらあの冒険者の宿で、鎧とメイスをマスターから貸りて…。」

ミーア:「えっ、アンナは遺跡に倒れてたでしょ?」

アンナ:「…えっ…。」

シーリス:「そうね。……盾を持って」

ミーア:「あれっ、あれっ、誰も言ってなかったっけ??」

トリア:「………」

アンナ:「…。」

トリア:「そうね。誰も告げてないわ。」

アンナ:「う、嘘、ですよね…?私を脅かそうっても、そんな、そんな…。はは。」

ジャック:「関係があるかどうかの確証はない。だが、もし関係がある可能性があるのなら俺は伝えなければならない」

シーリス:「ごめんなさい、ねえジャック。一つ聞いていいかしら」

ジャック:「なんだい、シーリス」

シーリス:「その人造神とやらが何かに仇なした、もしくは誰かがそんなふうに使った記録はあるのかしら?……まあ、神を『使う』という思考自体したくないのだけれども…。」

ジャック:「さぁ、それはわからない。だが過去に何があったかというのはアンナの記憶のためには必要だが、今後のアンナには関係ないことだと俺は思う」

シーリス:「そう、それなら少なくともその文献にはそういうことは書いていないのね。わかったわ」

ジャック:「少なくとも誰かが使おうとしていたのは事実だろう」

アンナ:「私は、《運命変転》の加護を授かっています。人間です…!」

トリア=モルト:「《運命変転》…ね」

シーリス:シーリス腕組みして考え中です

ミーア・スキット:「うーん…よくわかんないけど

ミーア・スキット:「アンナはアンナでしょ?」

シーリス:「そう、そうなのよねぇ」

ジャック:「あぁ、アンナは人間だそれは確かだろう。ただアンナが信仰している神は…人造神…なんだろうな」

アンナ:「…。」

アンナ:「……。そう、なのかもしれません…。仮に、私が、何者であっても、皆さんを守りたい。」

ジャック:「アンナが何者であっても、俺達は仲間だ。」

アンナ:「…!」

アンナ:「人造、神…。」

トリア:「そうね。私たちが仲間。というのはもう既に共通認識でしょう?」

アンナ:「私は、私の神を知りたい。私が本当はだれなのか、知りたい。」

アンナ:「もし、私たちの道の上で、このことに関したことがあったなら、少しだけ、寄り道しても、いいですか…。」

トリア:「知ったとして知った上で笑い飛ばせばいいのよ。寄り道大いに歓迎よ。」

ジャック:「いまこの話をしたのは、正直アンナに覚悟をしてもらうためでもあった」

アンナ:「いつ、私の神の真実がわかってもいいように。ですね。」

ミーア:「何がどうなっても、アンナはアンナだよ!」笑顔で

ジャック:「あぁ、それが人族的にみて善なるものか悪なるものかはまだわからんが、アンナが善とすべきものであるなら正直どちらでも構わんさ」

アンナ:「禁忌の存在であれ、私に仲間を守る力を貸してくださっている。そんな神を、私は切り捨てたくない。」

アンナ:「ご助力、感謝します。」

シーリス:「んーんんん……うーん…その、アンナが何者だろうが別に問題ないと思うし元気出しなさいな」

トリア:「迷いは全て晴らすべきよ。」

シーリス:「なんにせよアンナはアンナなんでしょう?」

ジャック:「うさぎの一生は短いが、アンナの寄り道くらいにならいくらでも付き合うさ」

アンナ:「…感謝…します…!」

シーリス:「……ただ、何か分かったとして。前言ったこと、忘れたら承知しないわよ、アンナ」今日一番真剣な顔

アンナ:「…はいっ!」


????:「これは、なんじゃい…?《不自然現象》とは、何じゃ…」

????:「UN…NATURAL…?なんの記号じゃろうか。」



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