第6.4話「<幕間>ある日、猫が消えたなら」
「ある日、猫が消えたなら①」
SGM:さてお久しぶりです。今回も経験値調整の幕間になります。
今回GMをしていただくのはパーティの火力一番槍ミーアの中の人になります。
GM:はーい!楽しんでもらえるようにがんばりまーす!
SGM:今回も私はさっくり目を通しただけです。SGMに徹しようと思います。では今回も始まり始まり~。
ジャック:「…ミーアがまだ来ないか」
アンナ:「珍しいですね。この時間にいないのは。お風呂ですか?」
GM:ご飯の匂いが漂い始めるころ、いつも飛んでくるはずのネコが、こない
トリア:「ふむ。ミーアを呼んでくるわ。」
ジャック:「ミーアが食事時に被せるように風呂には行かんだろう」
シーリス:「お風呂になんて来なかったと思うのだけれど」
トリア:「ミーアー?いないの?…ふむ。」
GM:ミーアの部屋は無人。入ると窓が開いている。
SGM:窓もドアのかぎも開けっ放しで、机の上には書置きが一枚。
トリア:「相変わらず不用心ね…」
トリア:「…紙?一旦持っておりましょうか」
GM:するとそこには…「ちょっとでかけてきます(肉球のマーク)」…という置手紙がありました。
トリア:「………はぁ。ミーアは出かけてくるそうよ。窓から抜け出して…ね」
アンナ:「で、どこいったんですかね。夜いないのはよく見かけましたけど」
ジャック:「手紙付きだからまあ時間がかかるのだろうなぁ」
シーリス:「ご飯いらないなら言ってって…………手紙…?」
トリア:「単独行動…ね。はぁ」
ジャック:「…。」なんもいえねぇ
SGM:せやろな
アンナ:「ミーアはよく夜に出かけてますよ。素振りとか、その程度ですけど。」
シーリス:「………」知ってる
ジャック:「最近は夜はここじゃなかったからな…」ずっとフィニアの家
トリア:「えぇ。そうだったわね。」
リネルネ:「あなたたち、ごたごたしているところ悪いけど、依頼よ」
シーリス:「ま、まあ…えっと…これでも飲んでちょうだい」トリアにココア
ジャック:「依頼か…」
トリア:「ふむ。ミーアがいなくて大丈夫かしら。あ、ココアはいただくわ」
アンナ:「タイミングは悪いですが、致し方ないですね…」
シーリス:「そうね…」鍋に蓋しに行ってから席に着く
GM:内容はルキスラのライダーギルドからの依頼です。
GM:最近、騎獣を育成している山間の牧場から、連絡が途切れてしまったとのこと。山は険しく、魔物も多数生息している。また、牧場には多数の騎獣がおり、どういう状態か分からない(暴れているかもしれない)ため、最低限、魔物や暴れている騎獣を制圧および沈静化できる実力者に行ってもらいたい、とのこと。
アンナ:「内容的に、これは急ぎの依頼ですね」
ジャック:「なるほど…受けてもいいと思うが」
トリア:「…ミーアを待ってられるものではないわね」
シーリス:「そうねぇ…」
アンナ:「じゃあ、ミーアには書置きをしておきますね。ルキスラのライダーギルドにくるようにと。」
アンナ:「…あの…この騒ぎって、ミーアのせいじゃないですよね…?」
ジャック:「いやそれはないが、意外と関係はあるかもしれないな」
トリア:「あぁ…妙に侮られてるものね…」馬に
シーリス:「ああ…」遠い目
ジャック:「ギルドに貸しをつけておけばミーアも助かるだろうしな」
アンナ:「結局ニンジンで釣りましたもんね…。さてと、とりあえず、ジャックさん、いつも通りに馬車のチャーターおねがいします。」
ジャック:「わかった、水などの手配は頼む」
GM:というわけで商工会議所長、シュルツ・マークライン邸へ。
マークライン:「今日はどうした?こんな時間に。」
ジャック:「ちょっとルキスラまで行く用事ができましてね」
マークライン:「そうか、それは構わないが、先日おたくの女の子が来て、馬やらがどこで買えるかとか聞いてきたぞ。ルキスラのライダーギルドを紹介したが…。」
ジャック:「あぁ…あ~…まあ日々鍛錬をしていますよ」
マークライン:「ふむ、元気ならいいんだ。とりあえずいつもの納屋だ。持ってってくれ。」
ジャック:「もしルキスラ関連で運ぶ荷物があればついでに運んでいくが…」
マークライン:「今のところは平和に流通も通っているが…そうだな。報酬はあとででいいか?ワインと水を頼みたい。それと、交渉を頼んでもいいか?藁束の流通なんだが。」
ジャック:「なるほど承った。」
マークライン:「ライダーギルドとつながりが持てるならそれに越したことはない。」
ジャック:「まあ交渉事は善処しよう」
GM:さて、小話も済んだところで店に戻ります。
アンナ:「水はとりあえずこれでいいですね。そろそろ寒いですから毛布も多めにしましょう。」
トリア:「運ぶのは任せて。」
ジャック:「そろそろ換毛期か。」
シーリス:「さっき作ったごはんはお弁当にしたから各自好きな時に食べてちょうだい」
アンナ:「ありがとう、シーリスさん。さぁ、準備はこんなものですかね。」
シーリス:「ミーアの分は置いてきたわ。多分マスターの明日のお昼ね」
トリア:「ん。じゃあまあ行きましょ」
アンナ:「あ、馬車が来ましたね。」
ジャック:「準備できているな…積んだら出発だ」
GM:誰か夜に話したいことはあったかな。
シーリス:ちょーっとアンナさんと話したいことはなくもないです
シーリス:いや、ほぼほぼシーリスの話なので大丈夫だとおも…思います
GM:では、街道の傍で、あなたたちは一夜目を向かえる。
アンナ:「じゃあ、今日は私たちですね!」
シーリス:「ええ、特に何もなければいいけれど」
GM:はぜる焚き木、虫の音、あなたたちは、どちらともなく口をひらき…
ジャック:「承知した」
アンナ:「ですね。道中で出会う敵くらいなら、もう困ったりしないでしょうけど。」
アンナ:「むしろ私たちが困るような敵が出たら、事件です。ルキスラとディザの真ん中ですし」
シーリス:ちなみにシーリス前シナリオの後から教会に行く頻度が増えてました
シーリス:「それもそうね」
シーリス:「…ねえ、アンナ。あなた、神に仕えるものとしてどんなことを考えてる?その……なんだかいきなりで申し訳ないのだけれど」
アンナ:「神の道にそぐわない。そういった行動をとらないことです」
シーリス:「……そう。ええ、そうよね」
アンナ:「私は、誰かのためになっていたい。そう思います。まだ格言とかはノイズがかかっているんですが、判断する限り、なにかの助けになるための神様だと思います。私の神は。」
シーリス:「…あなたは誰であってもその誰か、というものにできるのでしょうね」
アンナ:「一応、神官ですから。困る人のために手を伸ばすのが神官です。」
シーリス:「いえ、ごめんなさい。嫌な言い方になったわ。」
アンナ:「神の徒であるまえに、ヒトですから。もちろん個人差はありますよ?」
アンナ:「神族ではないので、分け隔てもします。」
シーリス:「それは誰でも仕方がないと思うわ。ただ…少し不安になったのよ。私はちゃんと神官として、神に仕えるものとしての務めを果たせているのか…。」
アンナ:「慈雨神フェトル様…。「恵みは望む者にもたらされる」「天よりの恩寵は恵みだけにあらず。怒りもあると受容せよ」「怒りと憎悪は同一ならず」でしたっけ。」
シーリス:「ええ。そうね」
アンナ:「どうですか?シーリスさんは、自身が神に背いているとお思いですか?」
シーリス:「わからないわ」
アンナ:「シーリスさんは、憎悪と後悔と悲しみで、先日まで冒険者をしていたと思います。」
アンナ:「でも、具体的には、パーティはそれから何も変わっていません。」
シーリス:「……。」
アンナ:「目に見えて変わる必要なんてないんです。当人が、神の徒として何かを想い、行動することが、神官の務めなんです。」
アンナ:「シーリスさんは、神の奇跡でずっと助けてくれています。」
シーリス:「前の事件。被害者の女の子たちは助けなきゃいけないし、あんなにした元凶を許せないと思ったわ」
アンナ:「それはヒトだからです。当たり前です。私もそうです。」
アンナ:「……でも、たとえ第二の剣の神を信仰していても、個人がそれを許せるかどうかは別の話です。」
アンナ:「どっちかわからない神とかもいますけど。ほら、ル=ロウド様とか。ラーリス様とか。」
シーリス:「そうね。…あの事件の元凶であるヘラさん。あの人が危ないときあなたは真っ先に動いたわ」
アンナ:「どう見ても、動ける状態じゃなかったので、やるとしたら自爆か自殺でしょうと…。」
シーリス:「私は動けなかった。だってあの人は元凶で敵だもの。」
アンナ:「はい。ですが、魔神使いでも、どんなに極悪を貫いたとしても、あの人は、ヒトなんです。」
アンナ:「ヒトからどれだけかけ離れても、ヘラ・バルーゼは、ヒトの感情で動いていました。」
アンナ:「ならば、私は死なせてはならない存在と判断します。」
アンナ:「もちろん、助けられるものと、そうでないものはいますけど。私自身は助けたかったです。」
シーリス:「……ええ。私も今はそう思うわ」
アンナ:「あのルマ湖畔でのシーリスさん。諦めた虚ろな目ではなかった。」
アンナ:「諦めたけど、あきらめきれていない。過去をみつめ、前に進む道を見失った目をしていました。」
アンナ:「だから、私は神官として、導けたことがうれしいんです。」
アンナ:「人族の目は、前についています。「前を見るため」についているんですよ。」
GM:後ろを振り返れなくなったとき、ヒトは足が止まり、また前にも勧めなくなる。振り返りたい。でも、振り返りたくない。
あなたは、もう前に進めるだろう。だって、しっかりと過去を振り返って、見つめたのだから。淡くて切ない、辛くて儚い、あなただけの過去を。
シーリス:「…時々、あなたを見ていると自分が神官として正しくあれているか、わからなくなるわ」小声
シーリス:「別に、過去を引きずっているつもりはないのよ。それはあの時あなたとみんなでけりをつけてきたもの。」
アンナ:「ふふ、そうですね。あの宴会、楽しかったですね。」
シーリス:「だけど…私はわからないのね。敵とそうじゃないものが。」
アンナ:「…んー…私にとって、敵なんていないんです。助けたいヒトと、救わなきゃいけないヒトしかいないんです。」
アンナ:「種族問わず。たとえそれが蛮族であっても。」
アンナ:「ただ、他人に危害を加えるのなら、それはまた別の話ですけどね。冒険者なんで。」
アンナ:「シーリスさんの時は、シーリスさんを助けるために、戦闘をする必要があっただけです。」
アンナ:「戦闘しないですむなら越したことはないんですよ?」
シーリス:「ええ。戦わなくて済むのならそれがいいわ」
アンナ:「だからきっと、私の特殊神聖魔法は、傷つける術を持たないんです。」
シーリス:(アンナのあの魔法はこの考えから…?そんなことがあるのかしら…)
SGM:ここまで言ったなら君たちは気づいたかもしれない。アンナの立ち絵の目に光がない理由を。
全員:【狂信】…!
シーリス:「…ねえ、アンナ。少し聞いてみたいのだけれど」
アンナ:「はい?」
シーリス:「あなた、何かを守るために何かを犠牲にしないといけないとしたら。どうするのかしら」
シーリス:「答えたくなかったら答えなくてもいいのだけれど」
アンナ:「自分を犠牲にして済むなら。私は、ためらいません。」
アンナ:「私以外のだれかを犠牲にしなきゃいけない世界ならば、滅びればいいとすら思います。」微笑みながら
シーリス:(あっこれ自分のちっちゃい悩み言ってる場合じゃねぇ)
シーリス:「ちょ……ちょっと待ちなさいアンナ」
アンナ:「はい?あぁ、ちょっと言い過ぎましたね。物のたとえです。」
シーリス:「私は、あなた以外を犠牲にしないといけない世界が滅びればいいのなら、あなたを犠牲にしないといけない世界も、同じくらい滅びればいいと思うわ」
アンナ:「ふふ、一緒に信仰しますか?神様の名前もまだわかりませんけど。ふふっ。」
シーリス:「いいえ、どんな神様なのかはわからないけれど…あなたにそう教えている神様であるなら私は信仰できないわ」
アンナ:「私もそう思います。この生き方は、おそらく私の神が、私だけに遣わしていただいた権能。」
アンナ:「記憶がないのもありますが。指針はそれだけなので。」
シーリス:「私は、あなたを大事だと思っているわ」
アンナ:「私もです。」
シーリス:「だから、そのあなたを犠牲にしていいという神様を信仰することなんてできない」
アンナ:「はい、この信仰は、一応私の誇りなんです。ちょっとだけ自慢の、私だけの権能。これだけは譲れません。」
シーリス:「私はあなたも含めて仲間を守りたいわ。それが何かを犠牲にしなければいけないとしても」
シーリス:「それは神官として間違っているかもしれないと思って悩んでいたの。実際間違っているのでしょうね。…でも」
アンナ:「でも…?」
シーリス:「あなたが自分を犠牲にしていいと簡単に思うことができるのなら。それは何かが間違っていると私は思うわ」
シーリス:なんでこんなずけずけ言ってるんだ…………?
全員:wwwww
アンナ:「私は、シーリスさんを含めてみなさんを守りたいです。それが、たとえ私自身を犠牲にしなければいけなくても。」
アンナ:「それが一般的な神官として間違っていたとしても、実際に間違っていても。でも。」
シーリス:「……でも…?」
アンナ:「シーリスさんがそう思ってくれることが。私はうれしく思います。」
アンナ:「だから、守りたいと私が願う限り、神は私に力をお貸しくださるでしょう。おそらく、これは祝福であり、同時に、『呪い』なんです。」
シーリス:「……。」
アンナ:「間違っているとしても、この権能にすがって、皆が守れるなら、これほどうれしいことはありませんよ。」
シーリス:「ひとつ言っておくわね」
アンナ:「はい」
シーリス:「私はあなたが自分を犠牲にしたとしたら、すーーーーっっごく、悲しいわよ。それは他のみんなでもそうだけれど。ほんとうに、もうすーーーーっっごく、地の果てまで悲しむわよ」
アンナ:「…!…はい…。だから、約束したじゃないですか。」
シーリス:「………なにかしらこの子供っぽい言い分。まあいいわ、そういうことよ。覚えてなさい」
シーリス:シーリスは今まで周りに頼るとか周りに感情を伝えるとかしてこなかったのでいざやろうと思うと子供のやり方しか分からないんですよねぇ
アンナ:「私は、言ったじゃないですか。「私は死なないから。でも、一人では無理だから。シーリスさんが私を助けてください」って。」
シーリス:ついでに言うと周りの大人がそういうことしてるの見たことないんですよねぇ
アンナ:「悲しませるのは私も嫌です。私は皆さんを守る。シーリスさんは、私が死なないように守ってくださいね。」
アンナ:「そっか、ヒトは、守ってくれた人が犠牲になるのは、嫌なんですね…。(小声)」
シーリス:「……ふふ、なるほど、わかったわ。あなたは私たちを守ってくれているもの。だから、私は貴方からあなたを守ってみせるわ」
シーリス:あ、ちょっと一個やりたい
アンナ:「約束ですよ…!」
シーリス:「……あー……なんだかもやもやしたわ」
シーリス:<クリエイトウォーター>ばっさぁ
シーリス:自動で乾く水という素晴らしい
アンナ:「ここで水垢離ですか??」
シーリス:「…ふう、すっきりしたわ」なお季節
GM:それぞれの信念と、それぞれの覚悟を確認し合うかのように、会話を、想いを交わした二人。
そんなあなたたちの頭上を—。
星が、動いていく。
まるで、一つひとつがあなたたちであるかのように、
アンナ:「さすがに早朝は寒いですよ!毛布毛布!」
シーリス:「あ、あなたにもやってあげましょうか?いいわよ?どう?」
アンナ:「毎朝いつもやってますよ!!」
GM:煌く星々が街道の上、夜の帳の長い旅路を征く。
やがて、それらはすべて溶け去って、
空は、再び明るみを取り戻した。
朝だ。あなたたちの二日目が、幕を開ける。
シーリス:唐突にしんどい感じになってびっくりしました
SGM:あれ?そう望まれたと思ったんだけど
シーリス:いやおいしいですけどお!
GM:では今日はここまで!おつかれさまでした!
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