第2話

僕は仕事をしていた。

机に溜まった資料を速くすっきりとなくならせたい。

作業をしている場所以外はサイドにファイルやら棚やら奥には棚が牛耳っているため机の上が窮屈である。

一息着こうと右下に置いてある鞄から水の入ったペットボトルを取り出して飲む。

ふと、部長の席をペットボトルのふたを締めながら見ると机の上はすっきりとしていて顔の表情もすっきりとしている。

パソコンを触っているものの特に焦ってしないといけない仕事もないことから表情に曇り一つないのである。

部長の下で働く僕を含めて6人は、

眉間に力を入れながらパソコンに打ち込みをしていたり、ため息を小さく連続的にしている人やずっと食べながらしている人もいる。

とりあえずみんなストレスと焦りに耐えながら黙々と仕事を進めているのだ。

しかし、明日は休みなのだ。

今日を乗り切れればゆっくりと寝ることもゲームをすることもなんだってできる。

そんな想像を頭の奥にうずめながら仕事に皆、集中しているのだ。

「沢田くん、あの書類まとめられたかな。」

「えぇ、あとコピーを取ったら終わりますので少々お待ち下さい。」

沢田くんは僕の5つ下の後輩である。

休憩時間にはご飯を共に食べ、仕事終わりには飲みに行ったりするほどの仲である。

歳は違えど平等的立ち位置でお互いに会話をはずませられるのだ。

しかしながら今日の沢田くんは俺に他人行儀である。

仕事の忙しさというものは人の区別までをも忘れさせるようだ。


そうしてやっと仕事を皆、なんとか終わらせることができた。

部長から仕事終わりの挨拶をもらい、やっと会社から解放された沢田と俺は久々に飲みに行くことにした。


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