第13話 ファーストフード店

それにしても横浜駅周辺は混んでいた。


大柄のジェリーが先導し、その後ろにウィル、そして、最後尾に僕が続いた。


僕たちは人混みを掻き分けるように進み、10分かけてようやく目的地のスーパーマーケットに辿り着くことができた。


僕たちは1階の入り口付近にあるファーストフード店に入った。


どこにでもある全国チェーンのハンバーガー屋さんだ。


お昼ごはんの時間帯だけあって、店は混雑していたが、僕たちは四人掛けのテーブルをなんとか確保した。


ウィルがテーブルに残り、僕とジェリーが注文を担当することになった。


ウィルは僕にフィッシュバーガーのセットが欲しいと言い、ドリンクにオレンジジュースを選んだ。


僕とジェリーは壁に貼られたメニューを見ながら、順番を待った。


僕たちの前の黒いスーツ姿の長身の中年の男性が注文を終え、僕たちの順番がやって来た。


僕はチーズバーガーセットを、ジェリーはベーコンエッグバーガーのセットをそれぞれ注文した。


会計を終えると、僕たちは番号札を受け取り、テーブルに戻った。


僕たちのテーブルの隣のテーブルは、女子高生のグループだった。


化粧が濃く、スカートの丈がやけに短い。


机の下にはスクールバッグとケースに入ったテニスラケットが乱雑に置かれていた。


中学1年生の少年にとっては刺激が強過ぎたのか、僕たちは誰一人自分たちの会話に集中することができず、女子高生を横目でちらちら見ていた。


注文した食べ物が届いたとき、女子高生たちは席を立った。僕たち三人はスカートからのぞく日焼けした太ももに釘付けでった。


その後、その席には僕たちの前に注文した黒いスーツの中年男性が座った。すると僕たちはようやく我に帰り、改めて自己紹介をすることにした。


ウィルはおしゃべりの僕が最初に自己紹介をするべきだと主張した。


望むところだ、と僕は思った。

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