第11話 8月11日

8月11日午前10時55分。僕はウィルとジェリーとの待ち合わせ場所の相鉄線の横浜駅西口改札口に到着した。


僕は周りを見渡した。中学生の男子は僕一人しかいないようだ。


僕はショルダーバッグの中から、おもむろに横浜マーリンズの帽子を取り出すと、横向きにかぶった。


僕の場所からは改札口から出てくる人が見渡せる。


いやが応にも緊張が高まり、鼓動が早くなっていく。


そして、その時はやってきた。


僕が腕時計に目を落としたとき、突然、肩を後ろから叩かれた。


僕が振り向くと、そこには、小柄で痩せている少年と対照的に大柄で太った少年が笑顔で立っている。


二人とも横浜マーリンズの帽子を横向きにかぶっていた。


太っている少年の帽子からは、もじゃもじゃの髪の毛がはみ出ていた。


小柄な少年が、

「リバーだね」

と言って、手を差し出した。

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