第42話 「月が綺麗と思うだけ」

「流れていく街並みを見るのが良い」

そんな言葉、あらゆるところで何度でも使われていて

つまらないことは知っている。


それでも、

大都会を包む青空、高層ビル群と調和し温かさを感じる夕焼け、

深夜に野心を奮い立たせる東京タワー、

メトロポリスを俯瞰できるレインボーブリッジからの夜景。


これらを見る事は、タクシーで乗務中の楽しみのひとつ。


その中に、月を見ることも入っている。

月が真上にいるときではなく、斜めの位置で少し大きめに

姿を現しているとき。


斜めの位置にいる場合、建物があって基本的に見えることはないが、

お客様をお送りした後に、たまたま見えた瞬間は悦びを感じる。


スピリチュアル的なことは知らないため、何も感じることはないし

満月などのこだわりもない。


なんとなく「月っていいよな~」と思うだけで、

その後拡がる訳でもない。

だからこの先書くこともない。


良いな~と思ったから書いただけ。




月並みなことを書いてしまった。

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