第34話 「飲酒運転をした女」

「わたし、この間飲酒運転して罰金払ったんだよねー」


銀座で60代のおじさんと乗って来た女が会話の中でそう言った。

年齢は30代中盤ぐらい。


「それでさー、60万ぐらい払った。助手席にいた子の分も払ってあげたよ、なんか助手席も罪課せられるみたいだから」


キャバクラで仕事の帰りだったらしい。


「全然歩ける距離だったんだけどさー、なんで車乗っちゃったんだろう」


発する感じがなんか軽い、飲酒運転で事故をしてしまったら

なんて考える様子もないよう。

運転しながらビックリした。


「ワインとかー、ウイスキーとか、んー結構飲んだよ」


どういう感覚をしているのか分からない。

車を運転すればするほど、事故の可能性には色んな種類があって

怖さを感じるようになってきたが、

それにしても、何も考えてなさすぎなんじゃないかと思う。


もし事故を起こしてしまったら、

人をケガさせてしまったら、

殺めてしまったら。


そこの感覚を持てないために悪い結果を生んでしまうんだろう。

その後に精一杯謝ってももう遅い。


これ以上余計な犠牲者が出ないことを祈りつつ

明日は我が身、安全運転に努める。


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