第30話「パパ活女子の本音」

深夜0時前の渋谷で、50代ほどの男性と20代中盤の女性が乗って来た。

タクシーに二人で乗る場合、何かしら関係性がある訳だが

カップルか、不倫相手か、仕事仲間か、親子か、パパ活か。

という感じに分類される。


今では、パパ活であろう関係性の二人が乗ってくることは珍しくない。

パパ活のためのマッチングアプリまであるくらいだし。


そんなお客様を乗せて、男性だけ降りた後、ふとパパ活女子の本音を聞いた時があった。


だいたい、この場合遠くに帰るようで近くの駅に帰るというのが鉄板だから、もうこちらから「どの辺の駅にします?」と聞いた。


「○○線の駅ありますか?」

と聞かれ、

終電はギリギリだがその路線のある駅へと向かうことになった。


すると、「よくあるんですね~」と女性。


「そうですね~、結構あります。」


「でもなんか、、」と、女性はパパ活に後ろ向きな反応を見せた。

雰囲気もそんなに遊んでいる風ではない。


「僕は全然良いと思いますよ」

と、否定する気はもともとないから声を掛けたが、


「いや、でももうやらないです」

と、なぜか僕に訴えてきた。


その女性にとっては赤の他人でどう思われても関係ない僕にまで。


そこには本音があるように見えた。

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