第24話 「ゾワっとさせる女」

ある一人の女性をお乗せした。

年齢は30代前後ぐらいだと思う。


特に何もない、運転手に対して高圧的だとか、

やたらへりくだる訳でもなく、いたって普通に乗って来た。


目的地が変わった場所でもなく、普通の繁華街。


喋り掛けてくる訳でもなければ、泣き出す訳でもない。


何もない、普通に乗って来たお客様。


その女性が、カバンから荷物を取り出したいのか

カサカサと音を立てだした。


「(カバンを漁っているんだな~)」

位の印象で、なんのこともない。


2,3回、

カサカサ、、、

カサ、カサ、、

カサカサ、、、

と音が鳴ると、止んだ。


荷物を見つけたのかもしれない。


すると再び、


カサカサ、、、カサカサ、、カサ、、、


見つからないのかもしれない。


少し間が空いて、、


カサカサ、カサカサカサ、、カサ、、


まだ漁ってる。


カサカサ、カサカサ、カサカサカサ、、


まだ音が聞こえる。

よっぽどカバンの中が汚くて見つからないのか、

探しているモノは無いのに、

「この中にあるはず」という

気持ちだけでまだ漁り続けているのか、

気になり出すほどまだ続く。


カサカサカサ、、カサカサ、、カサ、、


カサカサ、カサ、カサカサカサ、、。


・・・・・。


カサカサカサカサ、、カサカサ、、カサ。


カサカサカサカサカサカサ、カサカサカサカサ。


カサカサカサカサカサカサカサカサカサ


カサカサカサカサカサカサカサカサカサ




怖いヨ!!!!

いつまで探してんだよ!!

そこまでデカイかばんじゃないだろ!!

後ろ振り向けないよ!!!!


モノを探しているとは思えないほど、

カサカサという音が後ろから聞こえてきた。


最終的には、何も取り出していなかった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る