第11話 タコ

 定期的に激しい物忘れ時期がやってくる。


 例えば、仕事に行こうと車に乗り込み、エンジンをかけようとする瞬間、不安が襲う。


「あれ? 家の鍵かけたっけ? ガスコンロの元栓は?」


 慌てて車から降り、走って玄関へ。扉を確認。


「鍵は、しまっている。でもガスコンロは?」


 仕事に遅刻するんじゃないかと焦りながらも、鍵を開けて家に入り、急いでキッチンへ。元栓を確認。  


「開いている……」


 元栓を閉めてダッシュで玄関へ。外へ出て、「今、私は鍵をかけている。大丈夫」と口に出しながら鍵をかける。


 こんな風な面倒なことをしなければいけないくらい忘れ物が激しくなると、私は、「そろそろタコ焼きを食べなきゃ」と思う。


 もしくは。


 毎朝起きて、簡単なストレッチをするのだが、すごく腰が痛くて、恐ろしく体が固く屈伸が全然できないときがある。鏡で見ると滑稽で笑えてくるくらいに。そんなとき私は、「そろそろタコ焼きを食べなきゃ」と、思う。


 そして、実際夕食をタコ焼きとサラダにする。


 すると、あら不思議。翌日から、しばらくは、忘れものも腰痛もなくなる。ここまで見事に、タコ焼きを6つ食べるだけで結果が出ると、もうこれは、ほぼプラシーボ効果(暗示作用)のせいかもしれないとも思うが、薬膳的には、タコって物忘れと腰痛にとっても素晴らしい食材なのだ。


 *


 タコは、平性。気も血も補うので、元気をつけます。高血圧や動脈硬化の予防にもよいとされ、また、関節のしびれを取り、屈伸をスムーズにし、動作が鈍い、物忘れが激しいなどの症状によいとされています。


 だから、本当は、タコを違う料理の仕方でもっと頻繁に食べれればいいんですけれど、今のところタコ焼きのタコしか食べれない。タコの酢の物とかめちゃくちゃエイジングケアにいいらしいのに……。


 みんなは、タコ焼き以外でもタコを沢山食べてね♪






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