第15話 納豆
社会に出てから、すぐに精神的に一杯一杯になった。気がつけばいつの間にか、リビングで「誰か助けてー!」と一人で叫び、うずくまっているほどに。
なんてストレス社会っ!
そういうわけで、私は、ある日の午後、「誰か助けてー!」と叫んでいた。すぐ傍にいた姉が笑った。
「あははは! AKARI、急になあに?」
その声に、ハッとして我に返り、“いつの間に叫ぶ自分はマジ精神的にヤベーじゃん”と思ったのも束の間。
「AKARIの目ってさ、ゴキブリがひっついているみたーい!」と、姉が言い、また、あははは、と笑った。
タイミング。なんで今。いやいや。タイミングというか、言い方。いやいやいや。言い方というか、ゴキブリっていうワードを使っちゃダメ。いやいやいやいや。なんていうか、色々とダメだ。
姉は、笑ったあと、何事もなかったかのように部屋を出て行った。その時、生まれて初めて私は人をはっきりと憎んだ。
誰か姉にデリカシーを……。
それから鏡を見るたびに、姉の言葉に私は脅迫された。私の顔は、どちらかといえば、濃い方だとは認めよう。
「アイライナーとかひかなくて十分ね! マスカラもいらないわ!」と誉められた事があり、そういえばそうかもしれない、と、特にメイクアップしなくてもよい自分の目は案外気に入っていたのに……。
なんてこと。
姉のその発言以来、私はまつげをビューラーでキッチリ上げることは欠かしていないし、奥二重の目を、どうしたらなるべくぱっちりさせるかの研究に熱心に取り組んでいる。そして薬膳を勉強し、“納豆”にたどり着いた。
納豆。意外や意外、目の下のクマやシミによいのだ。
「ということは、目の周りの血流をよくするはず! とういうことは、目をぱちっりさせる可能性が大だ!」
という計算のもと、実験好きな私はすぐに試した。夜、2パック納豆を食べてから寝たのだった。翌朝、すぐに鏡をチエック。
お目目パッチリ♪ こりゃすごい!
というわけで、以来、目をぱっちりさせたい気分の時は、夜、納豆を多めに食べている。
*
納豆は、温性で、鬱血という状態を改善します。血の巡りをよくするんですね。また、欝気分の解消や、やる気が起こらない人にも良いとされています。
冷え性で、体の凝りに困ってらっしゃる方にオススメです。特に、肩こり、首こり、目の周りの鬱血を取りたい方は、ぜひ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます