第7話 もやし

 昨日も、もやし炒めを食べながら、白いひょろっとした彼らの存在をじっくりと見つめて思った。もやしは、謙遜だ。だって、もやしは、安い。1袋50円以内。けれど、彼らのする仕事は多いのだ。


 *


『最近、むくみがひどくて~、なんだか水太りい~!』と思ってるそこのあなた。


 はい。もやし。安いから沢山買っておいきよ。


『最近、口内炎できてしまって……。疲れているのかな?』というそこの君。


 はい。もやし。コンビニでも売ってるよ。買ってきな。


『ちょっと、膀胱炎気味からしら……』と、なんとなく思っているあなた。


 はい。もやし。もやしは茹でても美味しいし、炒めても美味しいよ。


『夫が、二日酔いによくなるんですう~』というそこの奥様。


 はい。もやし。節約にもなりますから、沢山食べさせてやってください。


 *


 はい。もやし。


 彼らは、あのような見た目、そして存在感、安さではありますが、水太り、口内炎、膀胱炎、二日酔いなどに有効です。しかし、それを微塵も感じさせないへりくだった存在感。偉い。


 ちなみに、もやしは、「寒性」で、非常に余分な熱を取るのに優れていますので、寒がりさんは食べ過ぎに注意かも。気になる方は、胡椒やスパイス多めの調理法でお召し上がりくださいまし。温性の味付けで寒性を和らげます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る