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「現在、判明している異世界への渡り方は大別して三通りあります。それは、転移、転生、召喚です。転移はポータルを介することで直接、異世界へと渡る方法です。転生は、何らかの理由で死亡した人間の魂が異世界へと生まれ変わることです。召喚は読んだ時の如く、異世界へピンポイントで連れていかれる事です。


 不思議なことに、どの方法においても異世界へ渡った人間は特殊な能力に目覚めることが多く、その力で異世界を各々満喫している事が分かっています。アレクがその最たるものでしょうね。


 現在、異世界対策室は具体的に対処が容易な異世界転移に注力していますが、今回の実験により効果的な策を講じることが可能になることが期待できますが、問題は残る二つですね。召喚にしても生まれ変わりにしても、こちらから手出しすることはできませんからね


 ちなみに、座学で教わったと思いますが、この世界には魂と呼ばれる人間の核となる存在はすでに発見されています。魔法においても魂が担う役割は大きく、魔法にとって無視できない要素です。


 中核世界でも、昔から魂の存在は宗教を通じ流布されていますが、輪廻転生も実際に存在しますので、人生これっきりだから周りの迷惑も考えず好き放題生きたりすると後で後悔しますからね」

 

 怒涛の勢いで説明を始めたジーナの説明は、ポーション片手に聞くのがちょうどいい気がする。逃げる機会を逃し、この後、延々とジーナの説明を聞くことになるのだが、ポーションのお陰で疲れることなく帰路につけたのはポーションのお陰であるのは言うまでもなかった。

 

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