初依頼4
ハートは困惑していた。
さてこの猫獣人――猫娘にどう理解してもらおうか。
と、思っていると猫娘の後ろの方で爆発音が。
ハートのことは置いて猫娘は爆発音の元へ行ってしまった。
『なんだ?事故か?』
ハートも姿を元に戻しコッソリついていく。
帰り道を教えてもらえるチャンスだ。潰すわけにはいかない。
ある程度進むと悲鳴が聞こえる。
だから、あの猫娘はだから急いだのか。
人気のありそうな場所にたどり着いた。
そこは血まみれの猫獣人たちの死体が多く転がっている。本来は建物は木々と交じり作られていたのであろう。住んでいた多くの建物らしいモノが先程の爆発の影響だろうか、壊れている。
さらにハートは隠れながら進んでいく。
するとそこには猫娘と白いローブの2人組、2人組の隣には剣で貫かれた獣人が。ハートは様子を見ることにした。
『盗賊かなんかか?』
盗賊だろうとなんだろうと基本的には関わりたくない。
争いにはノータッチ精神だ。
だが、帰り道は教えていただきたい。
猫娘は矢を飛ばした。燃えている矢だ。
飛んだ先、白いローブたちの前には光の壁が現れる。
矢は壁に遮られる。
『これが魔法か。いやスキルか?初めて見た』
白いローブの片方が短剣を飛ばす。猫娘は避けたが近くで爆発する。猫娘が吹き飛ばされ近くの木々にぶつかる。
コイツが盗賊テロリストか。猫娘、ボロボロだわ。
猫娘は光輝く矢を放つ。またもや光の壁に阻まれる。
白いローブの小さい方が杖を。そしてコイツが魔法使いっぽいな。いい連携だな。いいかどうかわからないが。
猫娘が木に隠れ始めた。何をするんだ?
猫娘の矢が光って大きくなっている。それを天に飛ばす。
どこに撃っているんだ?コイツ。
猫娘は木から飛び出し盗賊テロリストを狙い始めた。
攻防は続く。旗から見れば同じ繰り返しだ。飽きたな。
盗賊テロリストも同じことを思ったのか、接近戦へと猫娘に近づく。ハートは飽きたので魔法使いの方を見た。
ちょうどその時、魔法使いが後ろから矢で貫かれる。
『時間差ね、あれホーミング機能ついてるのか』
なるほどと関心する。
猫娘に対して少しだけ敬意を。
猫娘は吹き飛ばされる。今度はぐったりしている。
まずい‥
猫娘に死なれたら帰り道が聞けない。
盗賊テロリストが何かを喋っている。
盗賊テロリストが猫娘に近づき短剣を振りかざす。
ハートは一気に加速する。
盗賊テロリストの後ろまで行き、そして手を刃に変え。
『これが漁夫の利、いや違うか』
盗賊テロリストの首をはねる。ボトッ。
猫娘はかすかに息がある。セーフ!!
人を殺してもなにも思わない。
It is アイアンハート。
盗賊テロリスト、そういえばコイツら金持ってるはずだよな。
この一文無しの俺に慈悲を。って事だよな。
信仰もクソもない神の名の元に死体から金を回収した。
さて猫娘に聞かなければ。
『おい、大丈夫か?』
猫娘の肩を揺さぶる。が起きない。
どこかに運ぶか?どうするか?
ハートは猫娘を再び眺める。
だがその時遠くから声がした。
振り返ると声の元は青色の髪の男だ。
「こ‥これは一体?」
青色の髪の男――レオンはハートを確認する。
「貴様ぁ!そこでなにをしている?」
なぜか騎士団達が里の入り口にいる。
これ絶対俺が犯人だと思われてるよな。
ハートは逃げ出した。全速力で。
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