第14話 JKは最適な環境でお勉強をしたい
屋敷の門の外には広大な土地が広がっている。
これだけ立派な屋敷の目の前が殺風景なド田舎で、違和感が半端ない。
とりあえずまだ見ていない所を見てみたいと思い、昨日たしか少し離れた所に何かの建物が見えたのを思い出してそこへ向かってみた。
屋敷から5分ほど歩いて辿り着いたそこは、少し妙な建物だった。
何と言うか、妙に四角いのだ。
例えるなら、コンクリート製のビルの一部分だけを切り抜いたような、そんな印象を受ける。
「お、カケヤンやん。こんなとこで何しとん?」
建物を眺めていると、その建物の窓の一つから
「ああ、ちょっとぶらぶらと見学だ。
「
すると
そう言えば二人とも同じ学生服を着ているな。
「もしかしてこの建物って、学校なのか?」
「もしかせんでもその通りや。
「でも学校生活に必要な物は全て揃っているんですよ」
「1階に教室が一部屋と、職員室、保健室、理科室の4部屋。2階に家庭科室、美術室、音楽室、視聴覚室の4部屋で計8部屋がこの建物に詰まっているんです。そしてどの部屋も平均的な日本の学校の設備以上の機能性を備えているそうです」
なるほど、それで不気味なまでに四角かったのか。
まぁ生徒数二人で普通のサイズの学校作ったんじゃ無駄も多いしな。
「あと
まだ4月だし、夏までにはプールが完成している予定という事か。
今さらだがなかなか贅沢な………ん?
「ちょっと待て、今さらっと体育倉庫が3部屋って言ったか?て事は体育館も3つあるのか?」
「いえ、体育館も今はプールと同じく建設中でして、雨の日の室内体育の時はお屋敷の地下のライブ会場を使わせてもらっています」
「なら何で体育倉庫だけ3つも充実してんだ!?順序がおかしいだろ!?」
「何でも
本当にどこまで馬鹿なんだ?あの女は………
「それとなカケヤン。ここの保健室も、何と音楽室以上の防音設備なんやて。何でやろな?不思議やな?」
「
後で
こうなってくると
「なぁ、お前らに勉強を教えてる先生はいるか?」
「さっきも言ったけど、今は春休みやから先生はいてへんで」
「そ、そうか」
だが近いうちにその先生とやらについても確認しておく必要があるな。
この二人が健全な学生生活を送るためにも。
俺は心の中のメモ帳に「教師について確認の必要あり」と刻み込んだのだった。
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