第5話

「何故、貴方は混沌を、戦乱を求めるのでしょか?」


「いいことを教えてやろう女王。我々の故郷にある日本と言う国の書籍の中の科白だ。

世の中には手段の為に目的を選ばない狂った者たちも確実に存在するのだ。つまりは我々の様な。私達の生きる場所は戦場にしかないのだよ。」


自嘲するように言う彼には何かが過去に有ったのだろうか。今の私に知る術はない。


「さぁ、諸君。新兵諸君。君達には2つ大事な事を教えてやろう。1つ、味方に銃を向けないこと。2つ、自分で銃口を除きこまないことだ。」


首都郊外に作らせた親衛隊演習場。士気は高く、また学ぶ意欲も旺盛だ。


「今から、貴様らには兵士の基本ライフルの扱いを覚えてもらう。」


メインアームのM4A1カービンとM9A1を配布する。

徹底的に2週間分解と組み立て清掃を叩き込む。その後、2週間射撃とリロード、タクティカルリロードを叩き込み、その間は延々とハイポートだ。


「軍曹、任せるぞ。」


「はっ!」


後ろに下がり訓練の列に並ぶ。一緒にやってやる。


「私はエアハルト先任軍曹だ。話しかけられた時以外に口を開くな!口からクソを垂れるまえにSirをつけろ分かったな、蛆虫共!」


「Sir Yes Sir!」


「巫山戯るな!大声を出せタマを落としたか!」


「貴様ら雌豚がおれの訓練に生き残れたら

各人が兵器となる戦争に祈りをささげる死の司祭だ!

その日まではウジ虫だ!

地球上で最下等の生命体だ貴様らは人間ではない。両生動物のクソをかき集めた値打ちしかない!」


困惑の新兵たちを端に訓練は続く。繰り返される罵倒と人間の限界に迫る訓練と交互に単調で退屈な訓練。


「心配するな、貴様ら。私は厳しいが公正だ!獣も長耳も角付きも差別しない。全て平等に価値がない!私の職務は誇り高き武装親衛隊から害虫を除去する事だ!」


1ヶ月延々とこれを続け最終日。


「本日をもって貴様らは無価値な蛆虫を卒業する。本日から貴様らは誇り高き武装親衛隊員である。戦友の絆に結ばれる。貴様らのくたばるその日までどこに居ようと武装親衛隊は貴様ら兄弟であり戦友だ。これより諸君は戦地へと向かう。ある者は二度と戻らない。だが肝に銘じておけ!そもそも武装親衛隊員は死ぬ。死ぬ為に存在する。だが、武装親衛隊は永遠だ!つまり貴様らは永遠だ!故に、武装親衛隊は諸君らに永遠の奮戦を期待する!」


「「「「Sir Yes Sir!」」」」


各地で120万人程の義勇武装親衛隊員らを訓練し戦争マシーンに作り替える。我らが戦場に戦争処女は不要。マリーン式の訓練を施し徹底的に武装親衛隊への帰属意識と戦意を。獰猛な闘争意識を刷り込む。

私の私の為の戦争の為に次の私の戦争の為に、次の次の為に。

私の可愛い兵士達は戦争機械。一切合切の敵を殺し尽くす忠実なるキリングマシーン。

素晴らしいと思わないかね?

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