イエスは実在したか? ~言葉に命があるなら、どうでもよい問題~

 Q.イエス・キリストは実在したのですか?


 A.知りません。



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 これは、つい最近読者からメールで投稿された質問である。

 答えとしては、身もふたもないが、上記の通りである。

 しかし、それではあまりにも寂しすぎるので……

 もうちょっと、膨らませた話にしてみよう。



 皆、世界的に「いた」として話をしているし。そういう前提が絶対的だし。

 いたことを疑っている人の方が、どちらかというとマイナーだし。

 信者でなくとも、一般常識としてイエスがかつて実在し十字架にかかり、それがいつしかキリスト教にまでなった、という流れで理解されている。

 まぁ「はい、いました」と言ってもいいくらいなのだが——

 それは、誠実な姿勢ではない。

 実際に会ってないものは、見てないものは、軽々しくいたとか言えない。いくら周囲の情報が「いた」でも、絶対に本当だったと確かめることはできない。

 だから、憶測でも願望でもない、責任ある答えができるとするなら「分からない」になる。

 イエスの聖骸布、というのが残っていて。それをNASAかどこかが分析・研究したらしくイエスが実在したと科学的に認めるふうもある。しかしそれだって、かかわった人間が100%ウソをついていない、とは言えない。また、勘違いも100%ないとはいえない。



 ここで、ちょっと別の面からこの質問を眺めてみよう。

 質問者は、なぜこんなことを聞いたのか? である。何のために?

 おそらく、本人は無意識で、自分ではなんでこんな質問が湧いたのかお分かりでないだろう。では、私から言ってあげよう。



●本質より、目に見えるものより損得でものを考えているから。 



 たとえば、イエスが本当は実在しなかったとしたら?

 キリスト教は、バカバカしくなって崩壊する。イエスを信じる者は救われ天国へ行くという話も、彼自身の存在が架空と分かったら、無効になる。

 やる意味がないので、損をするからキリスト教は無くなるか、そこまでいかなくても衰退する。

 でも私は、あなたがスピリチュアルをやっていて意味がある水準で生きたいなら、もの申したいことがある。



●イエスが本当にいたかどうかなど、重要ではない。

 重要なのは、彼が言ったとされている言葉の内容だ。それがあなたにとって大事なら、イエスがいたかどうかなんて、どうでもよくはないか?



 イエスがいなかったら、彼が言ったとされる言葉やしたとされることが色褪せるのか? ということ。くだらなくなるのか? 価値がなくなるのか? ということ。

 私は、確かめようもないことはどうでもいいので、その辺はテキトーである。

 聖書に書かれていることが本当かどうかも分からないのに、事実ではない可能性も大なのに、私は執筆記事でよくイエスの言葉やしたことを、本当だったかという議論もなく取り上げていることがある。

 そんなエピソードが現実にあった、という前提で話をすすめていることがある。なぜならそれが本当だったかという議論は本質ではなく、時間のムダだからだ。

 大事なのは「何を言っているか」なのだ。話が役に立つと思えば、聖書の話が本当だっかどうかは気にしない。

 そこに命が宿っており、気付きの宝石が散りばめられているなら、別にイエスの実際の言葉や行動でなくても全然構わない。



 筆者は、キリスト信者の時には、イエスが実在したことを疑いもしなかった。

(元は神で、神が人の形をとってやってきた、要するに神が化けてでてきたという感じに近いが)

 でも、その後の私に訪れた変化(悟り)によって、それがご破算あさん(そろばん用語)になってしまった。

 分からなくなった。そしてその後、どうでもよくなった。

 今現在では、イエスなんてどうでもいい、である。

 イエスがどうでもいいというより、今生きて目の前にいない人がどうでもいい、と言ったほうが正確か。考えてもしゃーない。



「田中が死んだら、お前も死ぬんか~!」というツッコミがある。

「イエスが実在せんかったら、何かが変わるんか~!」と言いたい。

 もはや、イエスなんて気にしなくていい。言われたとされる「言葉」だけに注意していればいい。それが素晴らしいなら、誰がそれを言ったかなど大した問題ではないのだ。

 イエスが実在したかどうか? そんなのは、単なる暇つぶしにしかならない話題である。意地悪を言うと、そのあたりの話(何かがホントだったかウソだったかという次元で気にする)に関心がある事実が、あなたの精神成長的現状のバロメーターとなる。

 グル(師匠)からすると、「お主、まだまだじゃの!」ということになる。

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