強烈に意識に入ってきてしまい、言葉がなかなか紡げない。
命とは何か。
死とは何か。
精神とは何か。
想いとは何か。
生きるとは何か。
自分の意思とは何か。
突拍子もない設定のようでいて、そうじゃない。
深く考えてしまった。
脳科学の中で考えるという行為は、電気信号であるというのはもうわかっている。
だがそこに、それぞれの人の意識があり、考えがあり、個性がある。
電気信号の集合体であるはずの脳内で起こる何かが違って個性が生まれる。
そう考えると……いかにこの物語が深く、えぐるような衝撃を与えるのかが分かるように思う。
儚いのだ。人は儚い。
自由でいて自由ではない世界の中で生きる人々の思いは、電気信号では測れない。
う〜〜〜〜〜ん。
しばらく考えさせられることは間違いない……
自分の考えさえまとまっていないように思う。
今日もう一度読んで気づいたことがある。
何故こんなにこの物語を読んで考え込んだのか……
そうか……と思い当たることがある。
リアルなのだ。
出て来る人々のそれぞれの感情が、とてもリアルに伝わるのだ。
心の内が素直に伝わり自分に置き換えてしまったのだと思う。
人の感情を描くのが上手いのだ。
そこまで感情を揺さぶられるとは……もう一度読んでも同じような感覚になった。
成程……物語でありながらリアルがあった。
これは脱帽だと思った。