第3話 帝都の女

 追手をふりはらったものの、

目の前に軍服とも巫女とも判断のつかない

姿をした女が現れた。

軍帽に【帝】の文字が刻み込まれたメタルプレート。マントを纏い袴に下駄と帯刀。

時代錯誤な上に奇妙な装い。

「ククク…一部始終見せてもらった。準備運動をさせてもらおう」

不敵な笑みを投げかけられた。

「ウチの邪魔をするヤツは女でも容赦しねえ、どきなッ!」

正拳を打つ―それを容易に躱された。

頭に血が昇っていたからか、拳に身体がついてこない。

 (しまっ…)

そう思った時には背を鞘で打たれていた。

「ぐぁッ!!」

「ほう、大会にエントリーしようとするぐらいだからどんな手練かと思ったが、張り合いがないなあ。そんなんじゃボクの相手は務まらない。」

「なにをッ!!」

地にダイブしそうになるのを辛うじて拒む。

両腕をついて、曲げその反動を利用して蹴りを繰り出す。

が、蹴りは日本刀にガードされた。

「威勢だけは1丁前だが、そう直情だと蹴りも拳も泣いてるぞ。貴様に闘いとやらを教えてやる」

赤髪の女はそう言いおいて、刀を下げたと思いきや

左頬に激痛が走った。

何が起こったのか判らない。

姿勢を立て直すのに必死でガードが甘くなっていた。

続いてボディブローを喰らう。

が、妙なことに相手は手を出していない。

ワケが判らないまま意識が遠のいていく…

「練習相手にもならないな。拍子抜けだ」





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