第4話 プラトニック(3)
僕は、入社式の後、本社で一か月の研修があった。
講義や課題。大学でやっていた様なもので、単位がある訳じゃないので、それを良い事に遊び呆けていた。「なんだ、学生より楽勝じゃん。これで金が貰えるのか?」
レイちゃんは、入社当日から夜11時まで残業させられ、毎日、残業残業の日々だった様だ。
僕は、地元配属になった。
「やっと、レイちゃんに会える」
GW、地元に帰ってすぐレイちゃんに会った。
僕らは学生の時の様に一緒に遊んだ。
次の日は、レイちゃんも交えて学生の頃の友人とドライブ。
次の日は、他の友達と徹夜麻雀。
僕は、三日間徹夜で遊び続けた。
僕は、まだ、学生気分が抜け切れていない子供だった。
一方、レイちゃんは、社会の荒波に揉まれ、もう立派な社会人になっていた。
あるデートの日、レイちゃんから別れを切り出される。
「他に好きな人が出来たの。会社の上司で10歳上なんだけど」
僕は、もう、訳が分からなかった。
なんで、そんなおっさんと?
僕は、レイちゃんと一緒に人通りの多い街中を1時間ほど、号泣して歩いた。
そして、現実を受け止められない僕は、ストーカーと化す。
レイちゃんの家の前で、待ち伏せし、レイちゃんの新しい彼のクルマを原チャリで追っかけた。
レイちゃんには、直筆の手紙を郵送し、プレゼントは、レイちゃんの家の郵便受けに入れに行った。
ミリタリーオタクの友人に「クルマの内装を焼くくらいの爆弾の作り方を教えてくれないか?」と聞くと彼は
「爆弾は作れるけど、君を犯罪者にはしたくないので、教えない」と言われる。
僕は、その頃、会社の寮に住んでいた。
分厚い郵便物が届く。
僕がレイちゃんに送った手紙が束となって郵送されてきた。
これで、終わりか。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます