第3話 プラトニック(2)

レイちゃんは、僕に話してくれた。

男性恐怖症らしい。

「君以外の男の人とは、関わりたくない」と言う。


僕は、レイちゃんが男性恐怖症を克服できる様、まずは、僕の友達らと話す機会を作った。そして、徐々にその幅を広げて行った。


まだ、深い関係では無かったので、僕が求めると

「就職が決まるまで待って」と言われる。

就職が決まるまで。。。て、早くても一年半、遅くて2年。

しかし、レイちゃんのいない生活は考えられなかったので、その気持ちを受け入れる事にする。


僕らは、いつも一緒だった。

映画も美術展も舞台演劇も呑みに行くときも

友達らと遊ぶ時も大学の帰り道も。

高校生の様だ。


レイちゃんは、徐々にお洒落になっていった。

ボサボサの髪をベリーショートにし、今までスカートを履いたことがなかったらしいが、ミニスカートも履く様になる。

もう、男性恐怖症は克服し、男から注目されることが、嬉しくなったみたいだ。

僕は、彼女がお洒落になって行くのが嬉しかった。


そして、就職が決まった。

僕らは深く付き合う様になった。

しかし、数ヶ月経つと卒業。入社。

僕は全国に支社があり、デザイナーが400人いる様な制作会社に入社した。

一方、彼女は、地元の15人ほどの小さな広告会社に入社した。


僕が入った会社の総務担当は「ウチの会社に入ったら、99%は、大学の彼女と別れる」と言っていたが、僕は、その99%には、入らないと思っていた。

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