最後のサイコロ

 3月23日午後4時。沖縄で謎の生物「ポニョニョン」が加わった安永拳、城ヶ崎しげる、玉木浩、ルギーの一行は長崎県のハウステンボスにいた。ハウステンボスで意外な人物を発見した一行は異国情緒、いや異世界体験を堪能したのであった。


 しげる(以下、し)「うーん、まさかあそこでのり先生がいたとは。びっくりしたね」

 玉木(以下、玉)「ああ、しかも奇抜なファッションをしたオランダ人の彼氏も」

 安永(以下、安)「あの人、釜揚港に来たらどうする?」

 玉「俺直視できないね」

 し「俺も直視できんね。普通の格好してても笑っちゃうよ」

 玉「ブシドー教授といい、あの人といい、外国人というのはみんなあんな感じなんですかね?」

 ルギー(以下、ル)「ちょっとちょっと、ブシドー教授とあの人だけで外国人全体把握しちゃダメだよ。もっと普通の外国人もいるから」

 安「本当ですか?」

 ル「本当だって!」


 しばらく沈黙する一行。そして、ルギーが口を開いた。


 ル「みんな楽しんだかな?」

 し「ああ」

 玉「堪能したな」

 安「帰りましょうか」

 ポニョニョン(以下、ポ)「ポニョニョン、堪能してない!」

 安「ポニョンニョンは物足りないかもしれないけど、俺ら4日間もハードな旅してたし」

 し「帰るってことは俺らの町に行くってことだから」

 ポ「そっか、ミフイ様のところに行くのか!ポニョニョン楽しみ!」


 すると、ルギーがホワイトボードに何か書いていた。


 玉「あれ?ルギーさん何書いてるんですか?」

 ル「選択肢」

 し「ちょっと、帰るだけだから選択肢も何もないだろ?」

 ル「フフフ、まあ見てなさい」

 安「その顔、怖い・・・」


 しばらくすると、ルギーが選択肢をみんなに見せる。


 1.安永家

 2.居酒屋ナンシー

 3.城ヶ崎家

 4.玉木家

 5.三日月家

 6.ルギーの実家


 ル「最後の選択肢はこれ!」

 玉「1から4は無難ですね」

 安「5の三日月家ってなんですか?モモッチ、家にいないし」

 ル「ちょっとスリルがないと。あえて行ってみるのもアリかなって」

 安「そんな・・・」


 し「それよりか、6だよ!ルギーの実家って、あぁた神奈川じゃないっけ?」

 玉「神奈川って横浜の」

 ル「ああ。神奈川というとすぐ『横浜』と同じと思われるからな」

 安「横浜じゃなかったらどこなの?」

 し「細かい場所はどうでもいいよ」

 ル「人の故郷を『どうでもいい』って。そりゃないだろ?」

 し「とにかく遠いだろ?」

 ル「ま、まあ・・・そうだけど・・・」

 し「何しどろもどろになってんだよ」

 ル「とにかくお前が振れよ!」


 ルギーが怒りながらしげるにサイコロを手渡す。


 ル「何が出るかな?何が出るかな?それはサイコロにまかせよ!」


 ルギーの掛け声とともにしげるがサイコロを放り投げる。


 玉「2、居酒屋ナンシーですね」

 安「これなら飯がすぐ食えそうだ」

 し「うん、一番無難な目だな。ってなんで嫌そうな顔してんの、オッサン」

 ル「ん、別に気まずくはないよ・・・」

 ポ「お金使い過ぎたんだ!」

 ル「ガクっ!」

 し・玉・安「ポニョニョン、意外と鋭い」

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学校1の食いしん坊女子は転校生に告白できるか? ドゥギー @doggie4020

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