下関と巌流島の決闘

 3月22日午後5時。一行はJR下関駅に到着した。


 「えー、九州から本州に舞い戻りました。ここは本州の玄関、下関です」

 「釜揚港よりはるかにデカイな」

 「そうだな~」

 「都会だよな」


 小さな港町に住んでいる3人にとっては大きな下関の港は華やかに見えた。


 「ちょいと歩こうか」


 4人は下関を散策することにした。しばらく歩いていると、玉木が関門海峡にある小さな島を発見した。


 「あの島はなんだろう?」

 「ありゃ、巌流島だな」

 「巌流島って宮本武蔵と佐々木小次郎が戦ったあの」

 「スゲー」


 安永、しげる、玉木の3人は歴史の名所を目の当たりにして目を輝かせていた。


 「ちなみにアントニオ猪木とマサ斎藤も戦ってことあるけどね」


 3人はルギーの話のネタが分からず、冷やかな目でルギーを見つめた。


 「え、知らないの、猪木対マサさんの巌流島決戦?伝説の試合なんだけどな……」


 小一時間ほど散策した後、ルギーがいつものようにホワイトボードに行き先を書き始めた。10分後、ルギーは書き終えたホワイトボードを3人に見せた。


 1.くいだおれ 大阪

 2.今度も島 佐渡

 3.北の港町 函館

 4.温泉につかりたい 湯布院

 5.めんそーれ 沖縄

 6.いよかんうまい 愛媛


 「大阪いいね。お好み焼きとか、たこ焼きとか食いたいね」


玉木は食べ物が好きなようだ。


 「そうだね。でも、函館は生まれ故郷だから行かなくていいや」

 「ヤスケン、函館出身なの?俺行ってみたいな」

 

安永が北海道からの転校生だったという設定をしげるは忘れていたようだ。


 「できれば、4がいいな・・・」

 「温泉ってオッサンくさい」

 「俺はアラフォーのおっさんだよ」


疲れが抜けないルギーは温泉で療養したかった。


 「今度は誰が振るの?」

 「順番からしてヤスケンだね」


 ルギーが安永にすかさずサイコロを渡す。


 「何が出るかな、何が出るかな?それはサイコロにまかせよ」


 安永がサイコロを放り投げる。そして出た目は……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る