結果発表

「それでは、結果発表だ、ブラボー!」


 鉄也は乗りに乗っている。


「どちらの料理がうまかったのでしょうか?ロビンソン亭か、それともひなた寿司か?では、味大路様、どうぞ!」

「うむ、勝者は……ロビンソン!」


 漁師たちから歓声が沸く。


「ちょっ、ちょっと。僕の石狩鍋のどこがいけなかったのかい?

 僕のほうがおいしいように見えたのにな。おかしいな」


 なぜか洋ちゃんが不満を言った。


「おいおい、ロビンソンのほうが明らかにうまいに決まってんだろう!反応が全然違ったじゃねぇか!」


 漁師たちが反論する。


「ええい、待てい!」


 味大路様が一喝して場を沈めた。


「君の料理の欠点はズバリ『レモン汁』!レモン汁が味を壊したのだよ」

「洋ちゃん……」


 安永とモモが洋ちゃんに対し、冷やかな視線を浴びせる。


「いやね……味に深みを出そうと思ってさ、レモン汁をちょっと足そうかと思ったら、ついつい足し過ぎちゃって……」


 焦りながら弁明する洋ちゃん。


「口に未だと書いて味と読む。ロビンソン、味泉君、精進せいよ」


 味大路様が締めくくりの言葉を言った。


「どうやら、勝負は決まったようです!それでは、みんなで食べましょう!」

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