味大路の誘い
ロビンソン亭、ひなた寿司双方の料理が漁師たちに配られる。
漁師たちはものすごい勢いでそれらを食べていった。そんな中、安永とモモが後かたずけをしていると、
「少年よ、名は」
急に安永が味大路様に声をかけられた。
「安永です、安永拳です」
「君の心遣い、とてもよかったぞ。あのおじやはおいしかった」
「ありがとうございます。でも、俺ごはん炊いただけですから」
自信なさそうに答える安永。
「安永くん、料理に一番必要なのは『心』じゃよ。作り手の楽しみ、食べる人の喜び、そして思いやり。それらがなくては、いくら技術や工夫を凝らしてもおいしくはならないのじゃよ。君は料理人としての『心』の素質がある、うちで修業してみないか?」
「おいおい、拳ちゃんすごいじゃない」
洋ちゃんが祝福する。
「え、え、急に言われても……。はぁ、考えておきます」
急な展開にうろたえるばかりの安永であった。
「いい返事を待ってるぞ。精進せいよ!」
味大路様はその場を去った。
「いちいち『精進せいよ!』って言わなくたってねぇ」
洋ちゃんが悪態をついた。
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