マーチングバンド本番

マーチングバンド練習終盤

 11月3日。釜揚高校の校庭では、吹奏楽部とカラーバトン隊で構成されたマーチングバンドの練習が行われていた。

 指揮者の玉木浩の指揮に合わせ、小太鼓隊が小刻みに太鼓をたたきながら行進していく。その後、管楽器隊が大きな音を出しながら行進していく。そして、カラーバトン隊が行進しながら旗を振っていく。

 一通り演奏が済んだところで、朝礼台に立つ眼鏡をかけた長身の男、ルギーがメガホンを持った。


「よし、なかなかいいぞ。本番まであと2週間だ。この調子でもっと精度をあげていくよ。

 じゃ、今日の練習はここまで」

「お疲れ様でした」


 マーチングバンドの面々が一斉に挨拶する。

 楽器の後かたづけをしている最中、三日月モモが安永拳に声をかける。


「ヤスケン、このあと空いてる?」

「うん」

「じゃ、ミッフィーの餌買いに行くの付き合ってくれない?」

「いいよ」

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