最後の障害

 このあと、10個連続くす玉割り、ごみ回収車へのごみ袋入れなどの障害を、

 次々とクリアした選手たちはグランドに戻ってきた。


「障害物決勝もゴールまでのこりわずか。先頭を行きますのは鈴井校長。

 そのあとは横一線です。このまま校長が優勝するのでしょうか?

 最後の逆転劇があるのでしょうか?」


 余裕の笑顔で走る鈴井校長。しかし、後続がものすごい勢いで校長に追いついてきた。

 そして、横一線に並んだ瞬間、選手たちの姿が観客の前から消えた。


「なんと、ここで落とし穴です。全員見事に落ちてしまいました!」


 落とし穴からなんとか這い上がった選手たち。

 すると目の前に箱が。箱を開けると、おおきなタイ焼きのようなものが入っていた。


「さあ、最後の障害です。そのロビンソン亭特注の『マグロ焼き』を食べきらないとゴールできません!」


 一生懸命マグロ焼きをほおばる選手たち。その中、鈴井校長が悶絶している。


「これは聞いてないよ……」


 苦しそうな表情の鈴井校長。


「勝負の行方がわからなくなりました。いったい、この激戦を制するのは誰なのか?おっ、一人食べ終わってゴールに向かって走る。他の選手は食べ終わっていない。そのままゴーーーーーーーール!なんと、優勝したのは紅一点、藤選手です!」


 優勝した藤さんに集まっていく女生徒たち。拍手する他の生徒。

 みんなが知らないところで鈴井校長が気絶していた。


 体育祭も閉会式。生徒たちがグランドに整列している。


「それでは、閉会のあいさつを鈴井校長お願いします」

「来年は負けないからな!」


 全員校長の言葉にずっこけてしまった。

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