トラ?
鈴井校長の愛車『アユミン号』を先頭に帰路に着く一同。『アユミン号』には安永、玉木、音尾が乗っている。
「安永先輩、お疲れ様でした」
音尾が安永をねぎらう。
「ああ、みんなもお疲れ」
安永はすっかり憔悴している。
「ロビンソンっていつもあんな感じなのか?」
「ああ、基本的に『あきらめない男』だから」
「明日も来たら、断ろうぜ。毎日来られちゃこっちの身が持たないよ」
「うん」
釜揚高校の校門に近づいたあたりで、安永が何かを見つけた。『アユミン号』を急いで止める鈴井校長。
安永(安)「あそこ何か光ってないか?もしかして、トラじゃね?」
玉木(玉)「トラ?そんなわけないだろ?猫じゃないの?」
(安)「でも、あの目猫にしちゃ大きすぎるよ。トラだよ、トラ」
音尾(音)「そういえば、今日浜松の動物園からトラが逃げたってニュースがありましたよ」
(玉)「もしかしたら、一日で浜松からここに来たってことか?」
(安)「おいおい、危ないじゃんかよ!トラ、デインジャーだよ!」
鈴井校長(鈴)「みんな、落ち着いて!ここは冷静沈着に。車に乗っていれば安全だから」
(音)「でも、あの光る目がこっちずっと見てますよ。本当に大丈夫ですか?」
(鈴)「大丈夫だから!サファリパークと一緒だから!」
(玉)「ちょっとちょっと、トラにしちゃ丸くないか?」
(安)「トラは結構丸顔だよ。あれトラだって!」
(音)「でも、トラにしちゃ動きないですし。あれ顔じゃなくて体が丸でしょう」
(安)「体が丸?そういえば……。あっ、ミッフィーだ」
(安)「ミッフィーでした」
安永が車から降り、草むらからトラに間違えられたミッフィーを抱え上げ、再び車に乗り込んだ。
「ミッフィー、お前光るんだ」
一向はなんとか校舎に戻り、合宿一日目が終わった。時計は26:00を回っていた。
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