ロビンソンの小魚獲り

 なんとか、カエルを数匹捕まえて、一同はウナギの仕掛けを作りに行った。


「よーし、これで明日の朝またここへ来てウナギが獲れているか確かめてみるから。さあ、これから小魚捕まえるよ!」


 ロビンソンは気合が入っている。時間はすでに24:00を過ぎていた。


 小さなトンネルの入り口でロビンソンと田勢以外大きな網を持っている。反対側にはロビンソンと田勢が。


「今から、俺と田勢くんがこっちから追い込むから、網で捕まえてね」


 ロビンソンと田勢が水面を棒で叩いて小魚を追い込んでいく。


「あれ?あれ?」


 とまどう田勢。


「田勢くん、そっちそっち!」


 ロビンソンが田勢に指示を出す。

 ロビンソンと田勢が網のところまでやってきた。しかし、小魚の影は見当たらない。


「あーだめだぁー。もう一回やるよ。じゃ田勢くんに代わって今度は拳ちゃん」

「はい……」


 安永にはもう断る気力もなかった。

 ロビンソンと安永がもう一度小魚を追い込む。しかし、網の中には小魚の影が見当たらなかった。


「やっぱり、だめかぁ。じゃ……」

「ロビンソン、待ってください。もう今日は遅いし、生徒たちは明日もあるのでここまでにして帰りましょう」


 鈴井校長がロビンソンに帰るように促した。


「え、でも……」


 ロビンソンがとまどう。そのとき、突如カッコウの鳴き声が鳴った。ロビンソンが携帯を取る。


「おお、のり!いま、小魚捕まえてんるんだ。え、もう遅いから帰ってこいって?!うーん、わかったよ、もう帰るよ」


 ロビンソンが携帯を切ると、一同は安堵のため息をついた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る