期末テスト
ひかり先生 問題つくりに悩む
6月20日21:00。釜揚高校の職員室にはまだ明かりがついていた。保険医のあすか先生が職員室の扉を開けると、3-Dの担任越ひかりが一人机で思い悩んでいる様子であった。
「ひかり先生、一緒に帰ろうよぉ」
「あ、あすか先生。今日は先に帰って。あたし、もう少し残るから。……ああ、もう!」
「どうしたの、ひかり先生?」あすか先生は心配そうに尋ねた。
「今度の期末テストの問題を作ってるんだけど、校長がこの前『問題に必ず1問以上ダジャレを入れること』って変な通知しちゃったから、もう苦労しちゃうわ」
「でも、日本史の徳川先生はやる気マンマンだったけど」
「それは、あの人はダジャレ好きだし、日本史なんて語呂あわせとかあるから、ダジャレ問題つくりやすいじゃない。でも、あたしは英語よ!英語のダジャレなんてそんなに無いし。外国人のセンスだから、ダジャレがわかってもらえるかも不安だし。もう悩むわ」
「そんなに思いつめなくても。ダジャレなんて軽い気持ちで出るものでしょ。思い悩んでちゃ出るものも出ないわよ。じゃ、今日はこの辺でやめにして飲みに行きましょ」
「そうね、ここで悩んでてもしょうがないし。じゃ、気分転換に飲みましょうか、あすか先生」
「よっしゃ、レッツラゴー!」
二人は職員室を後にした。
「それにしても、あすか先生機嫌いいわね」
「そう見えちゃう?実はこの前旦那と……」
このあと、ひかり先生はあすか先生ののろけ話を一晩中聞かされた。
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