ストライカーヤスケン
壮行会
5月9日。釜揚高校の体育館に運動部の生徒が集まっていた。これから、インターハイ予選の壮行会が始まるのだ。まず、鈴井校長が壇上に上がり、激励のあいさつをおこなった。
「みんな、全国大会に行きたいかーい?!」
校長のダジャレに生徒たちは引いた。校長のあいさつの後、応援団の荒々しいエールが行われ、生徒全員で校歌を歌い、壮行会は無事に終わった。体育館をでた安永拳の目が燃えていた。
翌週の土曜日。釜揚グランドにてサッカー部の予選リーグ最終戦が行われる。現在釜揚高校サッカー部は一勝一敗。この試合に勝たないと、県の決勝トーナメントに勝ちあがれない。安永をはじめとするサッカー部の部員たちは緊張した面持ちでウォーミングアップをおこなっている。マネージャーの菊地萌子も雰囲気に飲まれて、部員たちと同じく緊張した面持ちでペットボトルを握り締めていた。試合開始直前、三日月モモがペットのミッフィーと共にグランドの応援席に現れた。
「ちょっと、ミッフィー。おとなしくしなさい」
モモはミッフィーを膝に抱えて、試合開始を待った。
選手たちが握手をした後、ポジションについた。
「よぉし、しまっていくぞぉ!」
「キャプテン、それ野球の掛け声だよ」
釜揚高校キャプテンでゴールキーパーの森崎が発した場違いな掛け声にチームメイトはあきれながらも、緊張が少しほぐれた状態になった。
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