ロビンソンのごちそう
4月28日。安永拳はクラスメイトの城ヶ崎しげるに声をかける。
「よっ、リーダー。あのさ、今度のこどもの日時間ある?ロビンソンがこの前手伝ってくれたお礼にご馳走したいんだって」
「ああ、いいよ。ロビンソンのご馳走か。うまそうだけど、全部食うまで帰らせてくれなそうだな」
「そうかもね。俺ら二人じゃ無理な量が出たりしてな。でも、全部食べるまで帰らせてくれないと。ははは、本当にそうなりそうだから、あと何人か連れて行けるように頼んでおくよ。たぶん大丈夫だと思うから」
「よし、俺も体操部の連中誘ってみよう」
「それじゃ、詳しいことはメールで連絡する」
「オッケー、わかった」
放課後、安永はサッカー部の部室で部員とロビンソンのご馳走の話をしていた。
「お、いいねヤスケン。俺も行くよ」
「俺も」
「俺も」
「あたしも」
「え、菊ちゃんも?」
急に話に割り込んできたマネージャーの菊地萌子の一言に安永は驚いた。
「まあ、いいじゃないの、ヤスケン。男だらけじゃつまらないし。やっぱ花がないと」
「そうですよ、ヤスケン先輩。花が必要ですよ」
「わかったよ、菊ちゃんも含めたこのメンバーで行こう!」
「やったぁ。ありがとうございます!」
安永の前で菊ちゃんは、はしゃいでいた。
一方、体育館でもしげるが体操部部員とロビンソンのご馳走の話をしていた。
「リーダー、それ魅力。俺らも行こうぜ」
「ああ」
「あのー、何の話してるんですか?」
「あ、江戸さん」
体操部のマネージャー、江戸サキの姿を見たしげるは顔が赤くなる。
「今度のこどもの日に港の食堂でご馳走してくれるんだ。江戸さんも来ない?」
「はい、わかりました」
サキはうなずいた。
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