教育係

 吹奏楽部の部室に戻った後、玉木を中心とする応援メンバーは応援曲の練習をはじめた。一方、違う場所では初々しい新入部員が集まっていた。そこへモモが現れた。


「えっと、今日から君たちの教育係を担当する三日月モモです。みんな、よろしくね」

「よろしくおねがいします」


 緊張のためか、新入部員たちの返事に元気が無い。


「ほら、元気がないぞ。もっと大きな声で」

「よろしくお願いします」

「まだまだ!もっと大きく!」

「ちょっと、モモ先輩。体育会系じゃないんだから、あいさつの練習をさせなくても」


 二年生の後輩がモモの暴走を制止した。


「ははは、ごめん。教育っていうと熱血指導が必要かなと思って、つい。じゃ、これから扱う楽器の説明するからちゃんと見て聞いてね。みんな準備して」


 モモの新入部員教育が始まった。

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