しげるのホワイトデー その1
3月14日。リーダーこと城ヶ崎しげるは体操部で使うテーピングをもらいに保健室へ向かっていた。
「あすか先生、テーピングもらいに来ました」
「あ、リーダー、いつもごくろうさん。はい、どうぞ」
テーピングを渡す保健室のあすか先生の顔がいつも以上に輝いていた。
「あの、先生。なんかいい事ありました?」
「うふふ。顔に出ちゃった?実は今日、旦那と久しぶりのデートなんだ」
「え?旦那さん?」
リーダーは思わず目を見開いた。
「うん。もしかして、知らなかったの?」
「はい……。でも、この前ひかり先生のところに泊まってましたよね?」
「ああ、あの時は旦那と喧嘩しちゃって、怒って出てってひかり先生のところに転がり込んじゃったんだ」
「そうだったんですか……。では旦那さんと楽しんできてください。失礼します」
「ありがとう。またね」
リーダーは保健室の戸を閉めると、手に持ったテーピングを見つめながら一人さびしく体育館へ帰っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます