ひなまつり パーティ後

 18:00。ひなまつりパーティーが終わり、すっかり日も暮れてしまった。モモと安永、そしてミッフィーは家路に向かった。


「楽しかったね。安永君のおばさんっておもしろいね」

「面白いって、単なる酔っ払いだよ。いつもあんな調子なんだ。ほんと参っちゃうよ」


 しばらく歩くと、話のネタも尽きたのか、一瞬の沈黙が。モモの一声が沈黙を破った。


「ところでさ。安永くん、バレンタインのチョコもらった?……いや、たとえば下駄箱になんかチョコが入ってたりなんかしちゃったりして」


 モモはうつむきながら、少したどたどしく訊いてみる。


「うん?もらってないけど」


 安永は即答した。


「え?あっそう……」


 モモは一瞬驚いて、またうつむいた。


「それじゃ、あたし家こっちだから。じゃあね」

「じゃあね。って、ミッフィー!ミッフィー忘れてるよ」

「あ、ごめん。それじゃ」

「じゃ、明日」


 モモは安永からミッフィーを受け取り、交差点で二人は逆方向に進んでいった。


「安永くん、受け取ってなかったんだ……」


 モモはミッフィーを抱えながら、ため息をついた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る