ひなまつり パーティ

 13:15。安永とモモは駅についた。すると女性二人が待っていた。


「よ、モモ15分遅刻」

「すみません、なっちゃん先輩」

「拳ちゃん、その子彼女?」

「いや、友達ですよ、のりさん。たまたま駅まで一緒だったもので」

「よっしゃ、行くかモモ」

「いくよ、拳ちゃん」

「それじゃ、三日月さん」

「じゃね、安永君」


 モモと安永は駅で別れるかと思ったが、四人の向かう方向は同じだ。


「あれ、三日月さん、どこ行くの?」

「ん?ひなまつりパーティー」

「俺もだ」

「じゃ、前の二人は知り合い?」

「その通りだよ、モモ」


 四人はとある店についた。なっちゃん先輩がドアをあけて、誰かを呼んでいる。


「店長!来ましたよ」


 店の奥から小柄な女性が走ってきた。その姿に安永は驚く。


「あれ?ナンシーおばさん」

「あー、拳ちゃん。のりちゃんのつれてくる子って拳ちゃんだったの?」

「え?店長の知り合い?」

「うん、あたしのかわいい甥っ子よ」

「へえ、拳ちゃん店長の甥っ子だったんだ」

「俺も驚きましたよ、のりさんとおばさんが知り合いだったなんて」

「じゃ、みんな入った入った」


 ナンシーおばさんが4人を店の中に入れると同時に、ポストに手紙が入っているのに気づいた。ナンシーが手紙をあけると、字がにじんでいてよくわからない。


「『  い わ     わ     』?なんだろう?わかんないや」


 ナンシーは手紙をゴミ箱に放り投げた。

 奥の部屋に入っていった5人は、立派なひな壇を見つけた。


「わー、きれい……」


 モモはひな壇の美しさに目を奪われた。ひな壇の前のテーブルにはちらし寿司や菱餅、雛あられが所狭しと並べられている。


「ささ、みんな座って。食べよ、食べよ」


 全員でちらし寿司や菱餅、雛あられを食べる。


「うーん、おいしい」


 モモが勢いよく食べていく。その姿になっちゃん先輩があきれる。


「モモは相変わらずの食いっぷりだな」

「拳ちゃんもモモちゃんに負けずに食べなさいよ!ほら」


 ナンシーおばさんは白酒を飲んですっかり出来上がっていた。

 ミッフィーも部屋の隅でちゃっかりちらし寿司を食べている。

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