日曜日 昼 公園で運命の出会い

 12:15。モモは公園のベンチで焼きいもをほおばっていた。ミッフィーはモモの前を勝手に転がっている。モモは焼きいもを食べながら、考え事をしていた。


『あれから玉木とはなんか気まずいな。話かけづらいし、あいさつもお互いにぎこちないしね。あーもー嫌だ嫌だ。あんなことしちゃったから、後輩たちもなんか変な目で見てるし……』


 モモは2月14日のヴァレンタインデーに同じ吹奏楽部の玉木を辱めるためにみんなの前でカカオ99%のチョコをあげて苦い思いをさせようとしたのだが、予想に反して玉木は平然な顔をしてチョコを食べてしまったのだ。(実は玉木が食べたのはモモが秘かにあこがれる安永のために作った甘いチョコだったのだが、モモ自身は間違えたことに気づいていない。)このことがあってから、吹奏楽部内でモモが玉木のことが好きだという噂がたってしまい、モモにとって憂鬱な日々が続いていたのだ。


 モモは大きくため息をついて、転がるミッフィーに目をやった。


『こいつはのんきだね、まったく。あたしゃこんなに悩んでいるのに』


 モモが呆けながらミッフィーを見ていたら、突然ミッフィーが視界から消えた。モモは急いであたりを見渡すと、ミッフィーが人の前まで転がっていた。モモは走ってミッフィーを拾いに行こうとする。ミッフィーを拾おうとした瞬間、モモは目の前の人物に驚嘆してしまった。

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