少年を慰める優しい友人たち


 同じ頃、あの衝撃的なシーンから立ち直れないしげる。体操部の仲間がしげるをなぐさめている。


「悪いことがあれば、いいこともあるって。元気だしなよ、リーダー」

「そうかな……」


 下を向きながら歩くしげる。玄関に着き、下駄箱を開けると、包みがポロリと足元に落ちた。


「おいおいおい、リーダー。そりゃもしやチョコじゃない? ヒューヒュー。本当にいいことがあったじゃん!」


 仲間たちがしげるをちゃかす。しげるの顔に数時間ぶりに笑みがこぼれた。

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